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シマヘビのおはなし~時代に沿って生き抜くこと [は虫類のおはなし]

一昨日のことです。
お昼過ぎの暑い時間帯からの帰宅途中、我が家への
路地に入りました。
すると、私の右横の塀に沿った道路の隅を
緑色の立派なシマヘビが全速力で這ってきました!
私と同じ方向に向かって、早足の私と併走するほどの
速さでびゅ~んと這っています。
面白いので20メートル位ヘビと並んで歩きました。

写真を撮らせてもらおうかとも思ったのですが、
カメラを持っていなかったし、撮るとしてもスマホです。
何より、日陰とは言えヘビが「暑ち~!!」と急いで
いたので、足止めはかわいそうだと思いました(^^;)

ヘビは立派な庭木のあるご近所さんのお庭に
すっと入っていきました。
木陰で立ち止まって、ほっとした様子でした。
少し眺めていたら、すうっと庭の奥に消えていきました。

こんな真夏に走るシマヘビと出会ったのは初めてだったので
おはなししてみました。

シ「木陰にはいっぱい食べ物があるんだよ。」

私「どんなもの?」

シ「カナヘビ(トカゲの一種です)や虫とか、小さな小鳥を
  獲ることもある。
  だから、思ったよりここで生きていけるんだよ。」

いつもの散歩道なら山や緑があって、ヘビも暮らしやすそう
なのですが、庭木のあるお宅があってもココは住宅街です。
春は小さなヘビが死んでいる姿を時々みかけました。

シ「僕は道路のつくりを覚えた。
  壁に沿って道づたいに行けば、そうそう交通事故
  にも遭わない。
  僕は二年生きてる。もっと大きくなって長生き
  したいよ。」

私「昔会ったヘビは、よく交通事故で死んでた。
  君は今の時代に沿って生きているんだね。」

シ「小さい頃は命の危険もいっぱいあった。
  事故も天敵にもあった。
  でも、経験が僕に生きる知恵を授けてくれて、
  住宅街でも生き延びる術を身につけたんだ。
  
  僕のほかにメスもいるよ。
  ちゃんとみんなで生き延びて、子孫を残すんだ。
  僕らは森の番人であると同時に、自然の移り変わりを
  見ていく存在。

  時代は変わって、ヘビも森の外で生き延びなくちゃならない。
  たくましく、適応力を持って、人にあまり姿を見られず、
  安全に生きているんだ。

私「なぜ、私に姿を見せてくれたの?」

シ「僕らが生きているって示したかったのさ。
  たくましく生き残っていることを。
  ヘビは本当に数が減った。
  餌のカエルも減っていると思う。
  でも、それ以外の食べ物を食べて、
  少数でも生き残れること。
  それを知っていてほしかったんだ。

  時代に適応し、順応すること。
  それも進化だと思う。
  今、生き物にそれが求められているんだと思う。
  
  今年の暑さに負けない種。
  特に虫はどんどん進化してる。
  生き物は貪欲だ。
  生き残り、子孫を残すこと。
  自分達の道を築いていくこと。
  それが本能というものさ。

  ただ知恵をつけなくてはいけない。
  日々、日々、年々、年々・・・
  生き方も環境も変わってきている。
  それを研究し、学び、生きていくのさ。」

私「すごいね!
  今の気象状況を君はどう思っているの?」

シ「僕ら湿ったところを好む生き物には結構辛いよね。
  水を求めて涼を得るから。
  ただこの高温もいつまでも続かない。
  秋にはぐっと寒くなると思う。
  冬と夏の気温差が激しくなると思う。
  体温調節が苦手な僕らにとって、辛い変化だと思う。
  地熱が下がらない、そして冬は上がらない。
  そんなふうになっていくと思う。」

私「その変化にどう対応しているの?」

シ「年々、少しずつ体を変えていく。
  脱皮の時期を考える。
  そのときが一番体力を使っているからね。
  産卵や繁殖の時期も変える。
  季節でなく気温でね。
  冬眠の時期も早まる。
  長く冬眠できるものが勝つだろうね。
  そんなふうにして、少しずつ変えていくよ。
  そして生き残ったものだけが、
  次の世代につなげられるんだ。」

私「厳しい時代に入ってきたね・・・」

シ「そうだと思う。人間にとっても。
  この季節ごとの極端な変化はもっとひどくなるだろう。
  人間も生き延びる時代に入ってきている。
  心と体を鍛えて、僕らのように生きていってほしい。
  今は命を守ることが先決だ。
  木々もみどりも変化してる。
  みな、この季節や気温に適応するようにね。」

私「どうもありがとう。」

シマヘビは、今年の猛暑と今後の環境の変化をしっかりと
見据えて生きていました。
植物や虫、いきものたちは少しずつ、適応に向けて変化している・・
それくらい今の自然環境は厳しくなってきているのだと思います。

数年前からのゲリラ豪雨や秋になっても台風がきたり、猛暑や
大寒波・・・と日本だけではなく世界中で、自然災害による
被害が多発しています。
後戻りできないほど、自然環境は変化してきているのかもしれません。

この時代をどう生きていくのか・・・
シマヘビに問題を提起されたような思いがしました。
あまりの暑さで、日中は水分補給や行動に気をつけて、熱中症に
ならないように気をつけていましたが・・・
猛暑でそれが精一杯の毎日でした。

これからの暑さ、寒さ、自然の変化がとても心配です。
そして、人も植物もいきものたちも、頑張って生きていけますように。
自然環境が穏やかに命を包んでいってくれますように。
   

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