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新しい家族が来ました②~犬の思春期 [犬のおはなし]

クッキーをお迎えしてから一週間。

ほぼ一日中接している私には3日で全身を触ったり、
歯磨きができるほど気を許してくれるようになりました。
猫のティナやクロネコのクーとも打ち解けて、他の猫とは
ゆっくりなじめば大丈夫になりました。

昼間は仕事で家にいない主人には、なかなかなじめなくて心配でした。
帰宅してから声をかけたり、夜寝る前の庭のトイレのときに、
一緒に歩いたりしているうちに、少しずつ距離が縮まってきました。
これなら大丈夫とみんなで納得して、クッキーを家族に迎えさせて
いただくことになりました。

保護主の北浦さんから、一緒にクッキーをレスキューしてくださった
たくさんのボランティアさんたちが喜んでくださったとお伺いしました。
みなさんのおかげで、こうしてクッキーと家族になることができました。
本当にどうもありがとうございます!

クッキーはやさしくて穏やかな子です。
うちにきて間もないのに、全身を触らせてくれたり、苦手そうでも歯磨きや
爪きりをさせてくれます。
トイレの失敗も無く、庭やお散歩でちゃんとしてくれます。
始めの頃は、なかなか庭でしてくれなくて困ったときもありましたが、
今はその心配もありません。

室内では家具へのいたずらもなくて、びっくりするくらいおとなしい子
だったのですが、家になれてきた頃、ちょっとやんちゃに
なってきました(笑)

目を離しているときに、漬物石を引きずって、棚の中から冊子を
引っ張り出してかじっていたこと二回。
ティナや私にじゃれてくるのがやんちゃすぎて、特にティナへは
じゃれ方が強すぎて心配かなと思うことも。

いたずらに関しては、棚の前に衝立でガードして大丈夫になりました。
じゃれ方に関しては、やんちゃが過ぎるときには注意するとすぐに
やめられるので、今ではティナともやさしく遊んでくれています(^^)
クッキーは本当にいい子だな~と思います。

そんなクッキーの一番困った点は・・・
散歩のときに、周囲の物事に敏感で飛び上がってしまうくらい
怖がりなことです。
朝、夕の散歩は交通量や人や犬に出会うことが多く、通勤、通学の
人や自転車もあります。
いろんなことにならしたほうがいいかと思っていたのですが、
段々と緊張したまま、ぐいぐい逃げるように引っ張るように
なってしまいました。
行きかう人や自転車、車や子供・・・クッキーの安全を考えて、
私も緊張してリードを握る手に力が入ってしまいます。

人が少なくなった山際の散歩道では、実に楽しそうにゆっくり
歩いたり、一緒に走ったりできます。
私の顔を見ながら、同じ速度で走ってくれて、リードもゆったり
歩けます。
クッキーのぐいぐい散歩はお互いにとって良くないし・・・

そこで、犬のトレーニングに詳しい友達のmiche*tete**さんに
電話で相談することにしました。

miche*tete**さんは、ゴールデンのアニーちゃんとトイプードルの
フランちゃんのときから親しくさせていただいています。
今は二代目のゴールデンのエイミーちゃんと暮らしています。
ご近所の犬の飼い主さんから信頼されていて、たくさんの犬と
飼い主さんの力になってあげていました。
私も何かある度に助けていただいています。

私の伝言屋ひまわりのサイトの写真は、すべてmiche*tete**さんが
撮影してくださった犬や猫さんたちです。

☆miche*tete**さんの写真ブログ
http://michetete.exblog.jp/

☆miche*tete**さんとアニーちゃんのセッションのご紹介
http://nijinofune.web.fc2.com/page/actaikendan1.html

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photo by miche*tete**さん
エイミーちゃんです。

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photo by miche*tete**さん
お散歩で

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photo by miche*tete**さん
お友達のCOCOちゃんと。

まず、miche*tete**さんが教えてくださったことは、クッキーはもうすぐ2歳。
犬でいう思春期の時期だということでした。
犬種によって違うそうですが、生後半年~3歳くらいまでが思春期に
あたるそうです。
その時期になると、今まで天真爛漫だった子が急に怖がりや防衛的や
反抗的になったり、男の子だったらなわばり意識やエネルギーがありあまった
行動になるなど変化が出てくるのだそうです。

中学生になったら、男子も女子も気持ちが不安定になったり、
多感になったり、エネルギーをもてあましてしまうという表現に
なるほどと納得しました。

大人になりかけの心も体も不安定になる時期は、人間ばかりではなく、
犬にもあるというのは、新しい気づきでした。

miche*tete**さんのエイミーちゃんもちょうどその時期で、細やかに
丁寧に無理させないように接してあげていると聞きました。
「クッキーもきっとそうだから、今は無理させないでゆっくりでいいと思うよ。
何より、心のキャパシティを超えないように焦らず、ゆっくりとね。」
と言ってもらえて、心からほっとしました。

そして、ココアが1~2歳頃、私も相当苦労したのを思い出しました。
手が千切れそうになるくらいリードを引っ張って歩くし、急に気難しくなって、
人見知りや犬見知りをするようになりました。
縄張りにも敏感になって、いろんな物事に敏感に反応して、今の
クッキーのように驚くと後ろにびょん!と飛び退ったり、逃げようとしていました。

・・・なんだ、ココアも思春期があったじゃないか。
晩年の穏やかさで、つい忘れていましたが、感じやすくて大変な時期がありました。
でも、3歳を過ぎたら、ココアは大人になって落ち着き、お互いが信頼できるようになり、
5歳の頃にはいいパートナーになれていました。

miche*tete**さんから、沢山のアドバイスをいただき、それを活かすように
散歩や日常生活の接し方を変えていきました。
散歩は、人や交通量が少ない時間帯に変えました。
何より私とクッキーが安心できること、楽しいこと、ふたりの絆を深められる
ことを一番に考えました。
社会化や、いろんなことになれるのはその先でいいし、私たちの絆が
深まったら、だんだんと大丈夫なるとmiche*tete**さんが教えてくれました。

すると、クッキーの表情が和らいで明るくなりました。
散歩道では、ゆっくりとすれ違う人や、自転車、車に落ち着いて歩けます。
無理に触ろうとしたり、声をかけようとする人には、先にお願いをして、
私たちから少し離れた場所で立ったまま、おはなしさせてもらうようにしました。
クッキーにとっては、目の前にかがまれたり、覗き込まれたり、触ろうと手が
くることが怖いんです。
でも、立ったままやさしく声をかけられたり、にこっとしてもらうのは
安心できるようで、私のそばで落ち着いていられるようになりました。

何度かそうやってはなした方とは、もっと近くで話せるようになったり、
大人しいおじいちゃんの黒パグさんとご挨拶までできるように
なりました。

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散歩道では、もっと笑顔を見せてくれるようになりました(^^)

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家でももっとリラックスするようになり、のびのびとしています。

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ティナは、クッキーのおなかの間にのしのし入っていって・・・

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丸くなってしまい・・・

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最終的にこう・・・(^^;)

私とクッキーには、まだまだ乗り越えなくてはならないことが
たくさんあります。
でも、クッキーの思春期を大切に過ごし、自然に大人になれるのを
待とうと安心することができました。

最近感動した本があります。

「波乗り介助犬 リコシェ ジュディ・フリドーノ
ゲイ・プファルツ・著」

ゴールデンのリコシェが、介助犬に向いていないと落胆した飼い主のジュディが、
思いがけず、リコシェにサーフドッグの才能を見抱いたときの文章です。
その後、リコシェは心や体に癒しを必要とする多くの人たちを
支え続けることになります。

「わたしが訓練した小さな子犬にはやはり才能があったのだ、と
心の底から確信した。
つらかったこの数ヶ月の間、きつく接してきたことへの罪悪感が薄らぎ、
考えがまとまってきた。

できないことを強要するのではなく、できることに集中しよう。
リコシェを他の犬のようにしたりはしない。
ありのままで、もっとも輝けるようにするのだ。

私は人間の親子のことを考えた。
子犬と同じように、子どもにも早いうちから個性が備わっていて、
少しずつ自分の姿をあらわしていく。
けれどもし父親が、お絵描きしたい子供にスポーツを押しつけたら
どうなるだろう?
本当は木登りや外遊びをしたい娘に、母親が新発売の人形で
遊ぶことを無理強いしたら?

こういった場合、子どもは早いうちから親の期待を背負わされ、
親は生まれる前から用意していた型にはまるよう、子どもに強いるのだ。

どんな魂を持っているのか、どんな道に進みたいのかに注意を
払うことなく。運命の道があるかもしれないのに。
人は誰でもそんな期待を持っていて、犬に対しても同じだ。
競技で活躍する犬がほしい人も、介助犬をほしい人も、
ペットをほしい人もいる。
けれど、実際どれくらいの人が、犬自身に何をしたいのか
考えているだろうか?

それに気づいたのが、わたしとリコシェの曲がり角だった。
やらなければならないことがはっきりすれば、あとは簡単だった。
答えは最初から決まっていたのだ。
ありのままのリコシェを認めて、型にはめたり、できないことを
強要するのはもう終わりにする。
そのままで完璧なのだから。
「欠点だらけで完璧なリコシェ」とつぶやいて、わたしは微笑んだ。」

私もココアが5歳になるまでトレーニングを続けて、ココアを老人施設や
小学校のふれあい活動に参加させたいと思っていました。
でも、ココアの怖がりや人見知りは直らず、結局その道はあきらめました。
けれど、いったん退いて見えてきた、ココアの素晴らしさを14歳半まで
味わえることとなります。

小さなものへの穏やかさ、あたたかさ、やさしさ。
言葉が無くても気持ちを汲み取ってくれる細やかさ。
私を一心に愛してくれるまなざし。

それは、ココアを型にはめようとしていたら見えなかったと思います。
クッキーもきっとおんなじ。
怖がりで、人見知りで、欠点だらけでそして完璧な。
犬らしい明るさとやさしさをいっぱい持った素敵なクッキーです(^^)












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