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センス・オブ・ワンダー~神秘さや不思議さに目を見はる感性 [書棚からの言葉]

レイチェル・カーソン著の「センス・オブ・ワンダー」という本を読みました。
レイチェル・カーソンが幼い甥のロジャーとともに様々な自然と触れ合いながら
感性をつちかっていく方法をみずみずしい美しい文章でつづっています。

この本の訳の上遠恵子さんは「センス・オブ・ワンダー」という言葉を
「神秘さや不思議さに目を見はる感性」と訳しています。
そして本の中にはこう記されています。

「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、
 驚きと感激にみちあふれています。
 残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、
 美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく
 失ってしまいます。
 
 もしもわたしが、すべての子供の成長を見守る善良な妖精に話しかける
 力をもっているとしたら、世界中の子供に、生涯消えることのない、
 『センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性』
 を授けてほしいとたのむでしょう。」

「センス・オブ・ワンダーを探して 阿川佐知子・福岡伸一・著 大和書房」
の本の中では、阿川さんと科学者の福岡さんが自分の子供の頃のセンス・オブ・ワンダーを
見つめなおす対談をしています。
自分たちが子供の頃に体験したこと、感動したことが大人になってから
その人自身を支え、生かしていくと本の中では繰り返し語られていました。

私は、私自身のセンス・オブ・ワンダーはなんだろうと考えてみました。

小学生のころ、まだ明けていない早朝の空気の中、霧がかかった朝もやの中を
散歩して、朝の鳥の声を聞いていました。
初夏によくはカッコウの声が、夕方から夜はホトトギスのさえずりが子守唄
のように聞こえました。

<訂正>
子守唄で聞いていたのはホトトギスの鳴き声でした。
訂正させていただきます。すみません!

☆ホトトギスの鳴き声が聞けます。
サントリー 日本の鳥百科さんのサイト
http://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/60.html


キジバトはよく電線にとまって私を眺めていて、『デデッポーデデッポー』と
鳴くので、そのまんま「ででっぽ」という名をつけて友達のような気持ちでいました。

太陽が昇ってきたら、それは霧の中で銀のおぼんのようでした。
やがて、霧が晴れてきて青い空が広がり、木々や葉に朝つゆがキラキラと光るのを
見ました。その朝つゆを様々な虫やカタツムリがうれしそうに飲んでいるのを
見ました。

祖父母の家に泊まった朝は、まだみんな眠っているうちにこっそりと家を抜け出し、
そばにあった森林公園の中を歩きました。しんと静まり返った空気の中を自分と木々と
鳥と虫しかいないのを感じて歩きました。
雪の日は、膝まで雪に埋もれながら、木々のこずえをタンタンと叩くアカゲラに
会いに行きました。


Fulvous-breasted Woodpecker (Dendrocopos macei) / Lip Kee

アカゲラはこんな鳥です。
おかりした写真です。

学校帰りは行き着けのアリの巣にしゃがんで、給食のパンをアリが運べる大きさに
丸めてあげて、巣に運ぶ様子をずーっとながめていました。

動物と話ができたらいいなと思っていて、『ドリトル先生』や『ニルスのふしぎな旅』という
童話が好きでした。動物と話せるなら、ニルスのように小人になってもいいなとも
思っていました。

ナルニア国物語が好きで、本当にナルニアに行けると思って、クローゼットに
入ってみたり、別のおはなしにあったように、抜けた歯をねずみが取りにくると
思って用意をして、寝ずに待ってみたりもしました。

毎日、自然や本の中の面白いこと、不思議なことを見つけることにワクワクしながら
すごしていたように思います。

今思うと、私の心の根っこのところは、子供頃に感じていたセンス・オブ・ワンダーが
ちゃんと息づいていて、今私を形作っているのだと知りました。
大人になったけれど、草木や虫、鳥に夢中だし、動物と話してるし、想像を膨らませて
にやにやしています。←冷静に見ると変な人・・・

すごーく変人かもなのですが、そういう感性が今も自分を支えてくれていると
知るのはうれしくたまらなくなります。

最近のセンス・オブ・ワンダー。

15426藤2.JPG
散歩道の大楠が自然の藤棚になっていました!

15426藤3.JPG
ここに自然の藤が咲いているのは前から知っていましたが、こんなに見事に咲いたのは
今年が初めてです。
長い間雨が続き、久しぶりにここを歩いたら大楠と藤の花のコントラストの美しさに
言葉を失いました・・・感動しました。

15426藤9.JPG
野生の藤の花は小ぶりで可憐です。

毎日見ている散歩道にも、センス・オブ・ワンダーは満ちています。

15426藤6.JPG

15426藤8.JPG

そして、自然の藤棚は探すといろんなところにもありました。

15429長藤5.JPG
これは、磐田市の熊野(ゆや)の長藤です。

15429長藤6.JPG

15429長藤18.JPG

国と県指定の天然記念物で、樹齢300~800年にもなるという5本の
長藤を大切に守り続けてきたそうです。
それはそれは見事でした。

15429長藤7.JPG
こんなに長いんですよ!

15429長藤とクマバチ.JPG
長藤にはたくさんのクマバチやミツバチが蜜を吸いに来ていました。
長藤祭りのスタッフさんは、観光客さんたちに「クマバチはおとなしくて刺さないので
心配ないです。」と笑顔で声をかけてくださっていてうれしかったです。

長藤もきれいでしたが、クマバチに夢中になってなかなか出てこない私に
家族があきれていました(笑)

世界はおもしろいことや不思議に満ちています。

センス・オブ・ワンダーの中の最後の言葉です。

「自然にふれるという終わりのないよろこびは、けっして科学者だけのもの
 ではありません。
 大地と海と空、そして、そこに住む驚きに満ちた生命の輝きのもとに
 身をおくすべての人が手に入れられるものなのです。」


あなたにとってのセンス・オブ・ワンダーはなんですか?


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