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巣立ちの日~さようなら また来年! [アシナガバチ観察日記]

9/27の夜は、月のまわりにかすみのような薄い雲が広がり、
そこに巨大な月の光の輪ができる「月暈(げつうん)」という現象が
観られました。

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photo by chihiro
あまりに大きな光の輪でカメラに収まりませんでした。


月暈 / Moon Halo / chidorian

こちらはおかりした写真です。

神秘的な光景でしばらく月の輪を眺めていました。
昨年の皆既月食を思い出しました。
あの時に近い月からの浄化のエネルギーをしんしんと感じられた夜でした。

その翌日の28日は、夏が戻ってきたのではないかという暑い一日になりました。
いつものようにひさしの下のアシナガバチたちに挨拶をしてから
洗濯物を干しました。

午後もアシナガバチたちはひさしの日陰で休んでいました。
15時半ごろ、そろそろ洗濯物を入れようと思ってひさし下を見ると・・・
あんなに団子にかたまっていたアシナガバチたちがいません!
とうとう巣立ちしたようです。
最後の雌蜂2匹が飛び立とうとしているところでした。

1匹が飛び立ち、山の方角に向かって飛んでいきました。
最後の1匹は体が大きく、来年は女王蜂になる雌蜂です。
ゆっくりと壁にそって下に降りていき、私が接着剤で貼り付けた巣に
とまりました。
そして、丹念に巣を見てまわり、もう誰もいないことを理解したかのように
山に向かって飛んでいきました。

最後に貼り付けた巣をちゃんと見てくれてうれしかっったです。
そして、巣立ちを見送れて本当によかったと思いました。

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9/24 みんながそろっている最後の写真になりました。

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今朝の様子です。もうみんな、いません。

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誰もいなくなった巣

昨日、最後に飛び立っていった次期女王蜂とおはなししてみました。

ハ「私達は山のほうへ飛んでいったよ。
  あの日を選んだのは、嵐の前だったから。
  少しでもよい日に交尾をして、子孫を残せる可能性をつくって
  そして嵐に備えるために。

  もうバラバラになってしまったけれど、私達の命の種は
  あちこちに散らばった。
  また冬を越えて 来年会いましょう。」

私「どうもありがとう。最後に巣を確認した?」

ハ「私達の巣にさようならを言ったの。
  二世代を育ててくれた巣。
  最後の最後まで私達を守ってくれた巣。
  また 来年会おうね。」

9/30~10/1にかけて台風が直撃する予報が出ています。
アシナガバチたちはそれを予測して2日前に巣立ったのかもしれません。
昨日巣立ち、今日はまだまだ晴れて穏やかな陽気です。
今日交尾ができれば、台風に影響されることなく命を残せます。

毎年、ハチが巣を作る位置によってその年の天候がわかるといいます。
台風が多い年は風をよけられたり、低い位置に巣を作るといわれています。
虫には潜在的にそういった能力が備わっているのではないでしょうか。

最後に巣にお別れを言って飛び立ってくれた女王蜂。
本当にうれしかったです。

最初の女王蜂が志半ばで死んでしまった後、ずっと幼虫だけを守ってくれた巣。
巣を失った新しいかーさんと、残された幼虫たちが次に命をつなぐことができた巣。
なんとなく、このままずっと置いておきたい気持ちです。(笑)
でも、また来年、アシナガバチたちが巣を作る前には撤去して
新しい出会いを待ちたいと思います。

今年は大変なことが色々ありましたが、アシナガバチたちの一生を間近で
見守ることができてとっても幸せでした。

今まで本当にどうもありがとう!
また来年 きっと会おうね。

9月いっぱいお休みをいただきます。
10月からまたセッションを再開させていただきます。
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