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羽根なし雄蜂のおはなし [アシナガバチ観察日記]

久しぶりのブログ更新です~。
虫たちの間にもいろんなことがありました。

まず8/10に散歩道で出会ったクロアナバチ。
12810クロアナバチ3.JPG
photo by chihiro  

12812クロアナバチ巣穴2.JPG
ここは砂地で水はけがよく、クロアナバチのコロニーになっていました。
三つの穴が巣穴です。
ここに獲物の虫を運んできては入れて卵を産み付けて蓋をするそうです。
クロアナバチはおとなしく、私たちが観察をしていても近くを飛ぶだけです。
巣穴を掘る様子もじっくり観察できました。

12818くも1.JPG
8/18 じ~っと獲物を狙うハエトリグモ。
大きさは1センチもないかわいいクモです。
その視線の先には・・・

12818オンブバッタ1.JPG
自分の何倍も大きいオンブバッタです。
ささっと逃げられてしまいました。

12818くも2.JPG
逃げられた・・・と落胆のハエトリグモ。

12818くも3.JPG
気を取り直してカメラ目線を見せてくれました。
黒くてまん丸の目が4つ。
この4つの目で物を立体的に捉えて狩る
小さくても立派なハンターなんです。

さて、ベランダのアシナガバチの様子です。

12817-1.JPG
8/17 巣では初めての雄蜂が誕生しました。(右側)
顔が白くて触覚がグレーです。
羽化したばかりなので目が黒いです。

12817-3.JPG
手前が雌蜂、その上にいるのが雄蜂です。
体格は雌蜂よりひとまわり大きいです。
雄蜂には針がなく攻撃性はありません。
のんびりと働き蜂に養ってもらって、巣立ちと交尾の時期を待ちます。

12820-2.JPG
8/20 もう2匹雄蜂は羽化しました。
巣の上にいて目が黒く、顔が白い蜂と、後ろ向きで目が黒いのもそうです。
巣の上にいる雄蜂の隣にいるのが一番最初に羽化した雄蜂です。
目が赤くなってきています。

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8//21 雄蜂が働き蜂の上にのっかって交尾の真似事をしています。
これは偽交尾といってよく見られる光景だそうです。
同じ巣の蜂同士は血縁関係なので働き蜂(雌)は上手に交尾をかわしているそうです。
こういった練習が女王蜂と出会ったときにいち早くチャンスをつかんでの交尾に
つながるのかもしれません。
それは大勢の雄蜂の中のたった1匹。
雄蜂にとってはこれこそが生きるための目的なので練習も真剣だと思います。

12822羽根なし雄蜂1.JPG
8/22 羽根のない雄蜂が羽化していました。
昨年観察していた巣でも1匹羽根のない雄蜂がいました。
その雄蜂は低濃度の放射能の影響だと話してくれました。
今年の雄蜂もその影響があるのでしょうか。
時間を作ってゆっくり彼と話してみようと思いました。

☆昨年の羽根のない雄蜂のおはなし

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8/22 羽根なし雄蜂の偽交尾です。
飛ぶことのできない彼ですが次の命のための練習をしている姿に
生きる意欲を感じました。

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同日、働き蜂が羽化しました。

12825羽根なし雄蜂.JPG
8/25 この日も羽根なし雄蜂の元気な姿があります。

12827羽根なし雄蜂.JPG
8/27 羽根なし雄蜂に元気がありません。
そして翌日の今日、下に落ちて死んでいる彼を見つけました。
昨年の羽根なしの雄蜂はもっと短命でした。
7日間生き切った彼とおはなしをしてみました。

ハ「僕が生まれた訳を話すね。
  環境汚染が影響して僕達みたいな奇形が生まれてしまうんだ。」

私「どのような汚染が問題なの?」

ハ「殺虫剤や農薬。それらを散布された葉を食べる芋虫。
  その芋虫を食べる僕達。それらの虫を食べる鳥達にも
  影響していることなんだ。
  たとえ微量なものでも体に影響してくる。
  長い目で見ればね。
  
  僕は放射能の影響は前よりは減ったと思う。
  今回は農薬や殺虫剤が多いかな。
  雨で流されて大分減っても、虫が死なない程度には
  残っていて、それを芋虫が食べて僕たちが食べるんだ。
  そうやって回っているんだ、体の中に。

  人間に影響しているものも少なくないと思う。
  日常的に殺虫剤を使うことは、微量に体に悪いものを
  まいて残していくことにつながるから。
  それが環境にどのような影響を与えるか気をつけて
  見ていていってほしいんだ。
  農薬の使い方もそう。

  体に取り入れるものがどういうものかを注意深く
  見ていってほしい。
  それが体を作っているからね。」

私「どうもありがとう。
  羽根がなくても偽交尾をして、生命力があって
  すごいなと思ったよ。」

ハ「僕でも命を残せるかなって飛べる夢を見てみた。
  短い命だったけど、本当にうれしかった。
  体への影響は昨年の羽根なしの雄蜂より
  少なかったから少し長生きできたと思う。
  
  僕のような個体を注意深く見ていってね。
  それが命へと自分へとつながっていくからね。」

私「どうもありがとう。」


昨年の羽根なし雄蜂は特に放射能の影響について話してくれました。
昨年の巣には触覚が1本など奇形の蜂が3匹でました。
今年はまだそういった奇形の蜂はこの蜂だけです。

昨年は原発事故の影響で静岡のお茶にも高い濃度の放射性物質が検出されました。
1年以上たってお茶に含まれる放射性物質の数値もかなり下がったり、検出されないところも
出てきたと聞きます。
蜂が言う様に時間がたって確かに濃度は下がってきたのかもしれません。
けれど、農薬や殺虫剤など身近なものからもこうした影響が出てしまうことは
虫のことではあっても怖いことだと思いました。

今年は女王蜂が途中で死んでしまったり、働き蜂が帰ってこなくなることが
多かったように思います。
それには薬なども影響しているのかもしれません。

実はよく外に出る前に殺虫剤をまいている女性を見かけます。
それも少しではなく、1分以上も広範囲に噴霧していて心配になります。
前より多く見かけるなあ・・・と思っていました。
蜂にはあのあたりには行かないように・・と声かけをしていました。
でも、たくさんの幼虫を養うために狩りをしなくてはならないので、
殺虫剤が多くまかれたあたりの芋虫を持ってかえってきていたのかも
しれません。

人間社会では虫の奇形のことまで気にとめないかもしれません。
けれど、殺虫剤は呼気で自分やペットの動物などが吸ってしまったり、
庭に残留している草を食べてしまう可能性もあると思います。
決して虫だけのことではないと思うので・・・
殺虫成分のあるものを取り扱うときには十分注意して、過度に
まきすぎないようにしてほしいと思いました。
ちょっとした心がけが虫たちや鳥達の健康に関わっているからです。

愛猫の介護中のため、しばらくの間対面セッションをお休みさせて
いただきます。
電話(スカイプ)セッション、メールセッションは通常通り受付を
しています。
今後ともよろしくお願いいたします。
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