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動物が住める森~子だぬきのおはなし② [山のどうぶつ]

前回の続きです。

12月19日、もう一度子だぬきとおはなししてみました。

子「僕、山に帰ってきたよ。」

私「そこはどんなところ?」

子「山の裏手に川があるところ。」

私が伝えた山かどうかをイメージで確認してみました。
どうやら同じ場所のようです。

私「その辺。お母さんと住んでいたところだから。
  今は畑の残り物とかをもらって食べてる。
  車はあんまり来ないから大丈夫。」

私「よかった。冬を越して、もう少し大きくなったら
  東にずーっと行くともっとみどり豊かな森があるよ。」

私は家族が教えてくれた場所を教えました。

子「今はここで過ごして、大きくなったら考えてみるね。」

まだ小さいこの子にとっては、住み慣れた場所で
冬越ししたほうがいいかもしれません。
実のなる木が少ない杉や竹の多い森ですが、
隠れる場所も遊ぶ場所もあります。

私「元気に生きるんだよ。
  人間に何かメッセージはある?」

子「森の端っこで生きてる動物を少し認めてほしい。
  僕たちの森は食べ物が少なくなってきているし、
  車で死んじゃうのも多いんだ。

  僕達の食べ物がなる木があればと思うよ。
  森が荒れたら僕達も生きられないし。

  人が森に入って木を手入れしてくれるのは
  本当はいいことだと思う。

  竹や杉が多くなったら、あんまり食べられない
  森になっちゃう。
  人が植えた木だから。
もう少し違う種類の木もあるにぎやかな森に 
  戻してほしいな。」

私「そうだね。みんなに伝えるね。」

子「明るく陽がさす森をつくってほしい。
  そしたら下の木が育つんだよ。
  鳥も種を落としているし、森が
  みんなが生きてゆかれる森になるといいな。」

私「本当にそうだね。どうもありがとう。」



Real Tanuki / rumpleteaser

おかりした写真です。
この子がこのくらい大きく育って、いつか東の実のなる木が
たくさんある森に移っていけたら・・とそう願っています。


今、子だぬきがいる私の近所の山の森は、残念ながら植林された
杉や竹の手入れがあまり行きとどいていなくて薄暗く、下草もあまり
育っていません。
台風などの倒木もそのまま放置されています。

昔はまつたけが育つような森だったのだそうです。
その時代は、適度に木が伐採されて手入れがされていたと思います。
そういう森は木と木の間が適度にあって、陽がさし、若木やきのこ、
山菜なども育ちやすく、人にとっても動物にとっても住みやすい豊かな
森だったのだろうなと思います。

私がここに来たころは、すでに荒れはじめていた森でしたが、
キジやコジュケイの声がしたり、ノウサギがいた森でした。

今は農家の方の高齢化などで森の管理が大変になってきたからなのでしょう・・
山のほうからイノシシが出てきて作物を荒らしたという
話を聞いていました。
イノシシが怖いので、私もいつしか荒れた森の奥のほうは
散歩しなくなっていました。
動物がいても住みにくい森になっていったんですね・・

昨年10月、クマとはなしたときこう言っていました。

「ぼくたち大きな動物がすめないところは地水がなくなって、

 山が水をたくわえられない。

 やがて土砂崩れがおきて人が大変になっちゃう。

 ぼくたちがすめる森は水を生み出し、川を流し、
 
 ゆたかな自然と一緒に

 人がすめる世界につながっているんだよ。」



Growth / Nicholas_T


貴船の森に行ったとき、多種多様の木がありました。
そして、その森が蓄えた豊かな水が川となって
流れていました。
まさに水源の森でした。

北海道の原生林が公園となっていたところでも、
うっそうとしているように見えても、古い朽ちた木の
栄養が新しい木の苗床になって世代交代がちゃんと
行われている光景をみました。
そして、下草もそだっていたのを覚えています。

人が植えてしまった杉や竹は人の手で
管理していかなくてはならないんですね・・
荒れてやせた森は土と水を蓄えられないので、
土砂崩れの原因になってしまいます。

ボランティアで竹林の手入れをしたり、杉の伐採、植樹などで
森を再生させようという取り組みがあちこちにあることを知りました。

本当にゆっくりの歩みだと思うのですが、とても大切な
ことだと思います。


The Emerald Forest / Tomi Tapio



動物たちが住める森は、人間達の暮らしをも豊かに守って
くれるものでもあると思います。





千尋のアニマルコミュニケーションサイト
bana.gif








  

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