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動物が住める森~子だぬきのおはなし① [山のどうぶつ]

12月17日の夕方、主人と愛犬と一緒の散歩道。
住宅街の生垣からがさがさっという音とともに飛び出して
きた動物がいました。

道路でかたまる動物・・・
その動物を見つめてかたまる私たち・・

「たぬきだ!」と私が言うと、はっと我に返ったたぬきは
反対側の塀の下をくぐり抜けて走っていきました。

灰色の丸い耳と丸い顔で後は全身真っ黒で小柄な姿は
どう見ても生後半年くらいの子だぬきに見えました。
体はやせていて、最初猫と間違うほどの細さでした。

「あんなところにたぬきがいるんだねえ・・初めて見た。」と
主人も驚いていました。
生まれてからずっとここに住んでいる主人です。

子だぬきの様子が気になって、夜になっておはなししてみました。

子「お母さんとはぐれたんだよ。車に轢かれたんだ。
  道路を渡っていたときだった。
  僕はひとりでごはんを探してここまできたんだ。」

私「ごはんは見つかった?」

子「犬の残りごはんを食べてる。
  少し残してあるんだ、いつも。」

私「犬は怒らない?」

子「僕は犬が寝てる間に食べるから大丈夫。
  起きてるときには近寄らないんだ。」

子だぬきが飛び出してきたお宅は大きな庭のある農家さんです。
その裏手にはのんびりした柴犬の雑種さんがいます。
多分、あの子のごはんだな~と思っていると・・・

犬がそれこそたぬき寝入り(寝たふり)をして、子だぬきに
ごはんを分けてあげているイメージが浮かびました。
あのやさしい犬ならそうしてあげるだろうなと思いました。(^^)

我が家のお隣の犬さんもドッグフードをいつもちょっぴり残すので
ジョウビタキが食べています。(笑)

私「そうか、よかったね。
  ただし、お母さんのときみたいに車には気をつけるんだよ。
  すごい速さで走ってくるから。
  渡るときは、藪からそうっと顔を出して、右左を見て
  何も来ていないときに渡るんだよ。
  今日みたいに飛び出してきたら危ないよ。
  犬や自転車も危ないからね。」

私は道路を走ってくる車やヘッドライトの様子、
走ってくる自転車やバイク、散歩中の犬など、
右左の確認のやり方などを視覚イメージで
教えました。

特にたぬきはヘッドライトにさらされるとびっくりして
立ち止まってしまい事故が多いのだそうです。

子だぬきは理解してくれたようでした。
そして、普段の様子を話してくれました。

子「普段は軒下(多分民家や小屋の下)とかに隠れてる。
  夜になったらごはんを探してる。
  今日はお腹がぺこぺこだったんだ。」

私「今日はごはんはあった?」

子「犬が残しておいてくれた。」

私「よかったね。車とかに気をつけてね。
  もう少し大きくなったら山に帰るんだよ。」

私は住宅街から山の方向へ向かう道筋を教えました。
農家さんの庭があるこのあたりは、とても広い庭に
ちょっとした木々が生え、畑もあり、子だぬきが
こっそり一冬暮らすくらいならやっていけそうな環境では
ありました。

子「お母さんとその方から来たと思う。」

そう言ったので、もう少し詳しく山の形状を伝えました。

子「僕は山のほうに帰れると思う。
  そのほうがお母さんも喜ぶよね。」

私「多分、お母さんも安心すると思うよ。
  仲間がいるかもしれない。」


子だぬきがいる辺りから山への道をもう少し
詳しく伝えました。

子「その道は知ってる。お母さんはこの通りで
  死んだんだ。」

場所が一致して、お母さんが轢かれたらしい車通りの多い場所が
なんとなくわかりました。

私「特に車が激しい場所だから、通るときはよく気をつけて。」

お母さんがヘッドライトの車に轢かれた様子が浮かびました。
おそらく子だぬきの記憶だと思います。

私「お母さんはなんで道に出てきたの?」

子「猫のごはんをもらいに来たんだ。」

私「森はごはんが乏しいの?」

子「雑木が少なくて木の実が少ないんだ。
  僕たちが生きていくには厳しい環境かも。」

ここの森ではなくもう少し奥にはもっと緑豊かな森に
なっていたはず・・

私「そうか。森についてもう少し聞いてみるよ。
  そしたらまた話そうね。
  車に気をつけてね。」

子「わかった!頑張るよ!」



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