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牛と馬のこころ [人の為に生きるどうぶつ]

福島原発20キロ圏内が警戒区域と指定されました。
まだそこには、たくさんの犬や猫、牛や馬、豚や鶏
などの動物たちが残されているそうです。

何とか助けたいと頑張っている方々の活動を応援し、
見守る日々でした。
自分が出来る事は何かと考え続けている毎日です。

計画的避難区域、牛も集団避難へ 農水省、全国に打診
http://www.asahi.com/national/update/0419/TKY201104190256.html

警戒区域設定で環境省、ペット連れ出しを検討
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110421/dst11042123490057-n1.htm

環境省がペット保護計画を、農水省が畜産動物の引き受け先を
各地に求めるなど、少しずつ国が動き始めてくれたようです。
もっと早く動いてくれていれば、救われる命があったのに・・
と思わずにはいられませんが、動き始めてくださった
ことに感謝しています。

大銀杏が言ってくれたように、変わるには最初は小さな芽吹きから。
それでも、いつかは大木へとなるように。
動物たちの命のために動き出した芽吹きを大きく育てていってほしいです。

私の父方の祖父は肉牛の育成のお手伝い、母方の祖父は愛馬(農耕馬)とともに
畑で育てる仕事をしていました。
その話を小さな頃から聞いて育ちました。

祖父の育てていた牛の牧場に遊びに行っては、牛と会わせてもらいました。
祖父が呼ぶと大きな牛達がゆっくりそばまできてくれました。
そして牛達がとても優しかった思い出があります。
祖父は食べる為に命をいただいていることの大切さを教えてくれました。

もうひとりの祖父の馬のことは、昔話で聞いただけで会ったことはありません。
もう畑も馬も手放していたからです。
でも、馬の乗り手だった祖父が荷を引かせる競争ではいつも一位だったという
自慢話はよく聞かされました。
気立てのいい馬で、母達にも優しかったそうです。

他界した祖父と愛馬とは夢の中で再会しました。
ふたりとも元気で、天国で馬橇を引いているそうです。

私が大型の畜産動物が好きになったのは自然ななりゆきで、
高校卒業後、畜産を学ぶ学校に進みました。
酪農家にも実習に行きました。
農家の現実の厳しさも少しだけ知っているつもりです。

だからこそ、今回原発で残されて死んでいく牛や馬たちのこと、
農家の方の気持ちを思うといたたまれません。

産業動物である彼らは、ペットである動物とは違って、人間への用途
への違いや様々な事情から救出が大変難しいということもわかります。
そのような中、農水省が各地に引き受け手を打診しはじめてくれたことに
希望を託したいです。
どうか、人の為に生きてきてくれた彼らが報われますように。

私の思い出深い牛と馬と話してみました。

☆最初に牛の言葉です。


Dingle Peninsula / keertmoed

お借りした写真と同じヘレフォード種の牛です。

「おじいちゃんと君からの愛情もよく知っている。
 私たちは心があるからそれを感じた。
 生きているってそういうことだよ。

 自分が死ぬ運命にあることは知っていた。
 それでも生きていた。

 やはり、私たちは生きたし、運命を受け入れて
 死んだけど、それでも育った環境、
 仲間たちとこころが通い合ったことは忘れない。

 食べられるという問題は根深いけど、
 私たちが命だったことにはかわりはない。

 どこにいても、どんなときでも
 こころある命だったんだよ。

 食べられるものが命であったことを忘れないでね。」


☆おじいちゃんの馬とのおはなし


2011 Horse and Sleigh Festival - Woodbury, MN / pmarkham



「おじいちゃんと天国にいるよ。
 人のために働くのが嬉しいよ。
 今もそりをひっぱっている。
 いっぱい人を乗せてね。

 生きているときは農耕馬として
 今は天国の馬橇馬として
 これからもずっと働くんだ。

 人の為に生きる運命だったんだ。
 ずっとそばで 傍らで
 しずかにそれを受け止めて生きてきたよ。
 今もそれはかわらない。

 人の心もすぐにわかるよ。
 体から伝わってくるんだ。
 ぼくらはそういういきものだよ。

 人のために生きる。
 犠牲になったこともある。
 ただ、こころは伝わっている。

 天国でおじいちゃんと一緒になれたのも
 そのためさ。
 ぼくがずっと待っていたんだ。
 また馬橇をひこうって。
 それがかなったんだよ。

 ぼくは馬であることが誇りだ。
 人の為に生きて 死んだ。
人にはわからないかもしれないけど。
 ぼくたちはいつだって 人のこころと
 ともにあって生活を支えてきたんだ。

 いつでも どんなときでも どの時代にも
 人に従い 人を支え 生き 死んだ。
 それだけの人生さ。
 
 それでも誇り高い馬だったのさ。

 今はおじいちゃんと一緒にいる。
 魂のつながりは永遠だよ。

 今残されている馬たちにも伝えてほしい。
 人の為に生きて、死んだことを誇りに思って。
 
 天国で会おう。」


Whips and Wheels Prairie Home Carriage Festival: Horse Drawn Plowing / pmarkham


このふたつのメッセージを載せようかどうかと迷いました。
でも、牛というもの、馬というものとして生きた
正直な心を届けよう。そう思いました。

彼らはいきものでこころがあるということを忘れないでください。

彼らもいのちであり、開拓時代など苦難な時代をも
人々を支え、ともに生きてきた歴史あるいきものであることを。

原発事故がきっかけに、多くの人が畜産動物の命についても
考えてくださっていること。

彼らのこころを、私の友達でもあった彼らのこころを
聞いてほしくなりました。

これからの時代、大震災を乗り越えた人も動物も同じいのち、
こころがあって、どんな形であったとしても、
お互いを支えあってきたことを思い出してください。


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