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動物園の動物 ③ ハワイガンとのおはなし-1 [動物園・水族館のいきもの]

ハワイガン1.jpg
photo by chihiro

☆ハワイガンについて

カモ目カモ科の鳥。全長70センチメートルほど。
体は灰褐色で、大きなうろこ状の斑紋がある。
原地でネネと呼ばれるハワイ特産種。
1940年代には絶滅寸前となったが、飼育下で
繁殖させて野生に戻している。
国際保護鳥。

<人間との関係>

ハワイ州の州鳥に指定されている。現地では「ネネ」と呼ばれている。

18世紀後半から19世紀初頭における生息数は25,000羽と推定されており、
ハワイ諸島各地に分布していた。しかし、食用や娯楽としての乱獲や、
人間と共に島に入った家畜やネズミ等による食害や環境破壊により、
20世紀になるころには限られた島でしか見られなくなってしまった。

その後の調査で、1951年における生息数は30羽と激減した
(この他、飼育下で約35羽いた)。

そのため、ハワイとイギリスにおいて積極的に人工孵化による
個体数の増加に努めるとともに、1960年から人工孵化させた
個体を国立公園などに再導入する試みが進められた。

その結果生息数は増加し、1999年における生息数は925羽と推定されている。
その後も、生息数は徐々に増加傾向にある。


Weblio 辞書~ハワイガンの項目から抜粋させていただきました。 http://www.weblio.jp/content/%E3%83%8F%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%B3

☆2007年10月27日の記録です。

動物園にひとりでアニマルコミュニケーション練習の為に行ってきました。

バス停待ちの時に空を渡るヒシクイらしい群れが飛んでいました。
きれいな三角型。感動しました。

動物園でペリカンを見ていたら『私たちの仲間に会った?』と
話しかけられました。

声の主を探すと隣のハワイガンがひとなつっこくこちらを見ていました。

ハワイガン『私たちの仲間に会った?』

多分、今朝見たヒシクイの群れのことだろう。

私『会ったよ。今朝空を飛んでいた。』

ハ『私たちも昔は空を飛んでいた。今は檻の中だけど。
  口をパクパクするのは挨拶。友達だからしたんだよ。』

そう言って2羽は顔を高くあげて嘴をやや上に向けて小刻みに
パクパクしてくれました。
友達の挨拶か・・と私も口をパクパクして応えました。
周囲に人がいなくてよかったぞ・・と思いながら(笑)

ハ『今は人が好きだから傍に来てくれると嬉しい。
  ここにいるのは悪くない。
  季節の移り変わりを感じることができる。
  今は冬に向かっている。』

私『ハワイガンはどんな渡りをしたの?』

ハ『ハワイガンは渡らない。ずっとあそこにとどまっていた。
  ハワイといっても高低差があるから山を越えて餌が豊富な
  場所に移動したよ。』

ハワイガンは山越えのイメージを送ってくれました。
壮観!!
彼らが動物園で生まれた個体なのはわかりませんが、
野生種としての記憶は全体で持っているのかもしれないと思った瞬間でした。

ハ『亜熱帯だったけどここよりは涼しくなかった。
  今はみんな兄妹みたいな感じであまり卵を抱く気になれない。
  仲は良いよ。お互いを大切に思っている。
  (この動物園のハワイガンは繁殖する気持ちはあまりないようです・・)

  ここにいる意味はわかっている。
  私達がいる意味を知らせるため。
  仲間達はあちこちにちらばったけど、
  ここにいる意味はわかっているよ。』

私『ありがとう。』

ハ『人が好きなんだ。かわいがってくれる。
  私たちのことを少しでも覚えていてほしい。』

後で動物園の説明書きを読んだら、本当にハワイガンは渡りはしませんでした。
動物園ボランティアさんの話を横でこっそり聞いたら、相当人が好きな子たちの
ようでした。

彼らのように絶滅の危機に瀕してから動物園での繁殖に成功してあちこちにいる
動物達はたくさんいるのでしょう。
ハワイガンは絶滅に瀕して復活したこと。
私たちが動物園にいることこそに意味があると話してくれました。
さらりとした言葉でしたがとても意味は深かったです。

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以上が4年前の私の日記です。

これには後日談がありまして、ハワイガンが教えてくれたご挨拶の
「口パクパク」はクラッタリングというものだとわかりました。

☆クラッタリング

嘴を叩き合わせるように激しく開閉して音を出す行動で、
ディスプレイや仲間との合図に用いられる。
コウノトリなど鳴管が未発達の種で見られる。
クラッターリングとも呼ぶ。

動物園のハシビロコウさんはこの口パクパクで
飼育員さんに挨拶するそうです。

ハシビロコウのクラッタリング(動画)

http://www.youtube.com/watch?v=wa3xgYkMFyA

このクラッタリング、花鳥園に行ったときに私がやってみたら、
水鳥やフラミンゴに通じました。
フラミンゴは、嬉しそうにクラッタリングをしながらおじきを
してくれました。

話が脱線してしまいました。

野生動物の種は結構自分の種の生態や行動を教えてくれて、後で検証
すると楽しい学びとなる事があります。
もちろん、すべてが合っているとはいえませんが。

動物園にいて、自分たちの種がこの世に存在している
ことに意義をもって暮らしている動物もいるのだと感じました。

このことをもう少し深く掘り下げたくて、4年ぶりにハワイガンと
話してみました。
それはまた次に載せさせていただきます。

  

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