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夏のいきもの、なぜ?なに?リクエスト~シンリンオオカミのおはなし [山のどうぶつ]

前回のFさんからのご質問の「剥製とはおはなしができるんですか?」
から広がって、野生のオオカミにそのことを聞いてみる
ことになりました。

私の心に浮かんだのは、絶滅してしまった北海道の
エゾオオカミでした。
そのエゾオオカミに近い種類ということで、
旭山動物園ではカナダのシンリンオオカミを展示
しています。
Image916~00.jpg
旭山動物園のオオカミさんです。(2008年撮影)

エゾオオカミのDNAを解析したところ、アラスカのユーコン地方の
オオカミと塩基配列が一致したという記事を読みました。

☆ウィキペディアのエゾオオカミのページです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%BE%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%9F#cite_note-1

ハイイロオオカミの中で、シンリンオオカミと
タイリクオオカミの種別については、少し区別が難しそうです。
ハイイロオオカミはユーラシア大陸とアメリカ大陸に
広く生息するオオカミで、北米の北西部のオオカミは
シンリンオオカミと書いてありました。
アラスカのユーコン地方のオオカミはその地方なので、
シンリンオオカミと書かせていただきます。

そこで、アラスカのユーコン地方のオオカミ全体に
向けて呼びかけてみました。
すると、立派な黒いオスのオオカミが応えてくれました。


Black Timber Wolf / Fool4myCanon

こんな感じのオオカミです。(おかりした写真です。)

アラスカのオオカミからのメッセージです。

オ「私たちの話を聞いてくれるんだね。」

私「私も色々聞きたいです。」

オ「そちらの話から聞こう。」

私「まず、オオカミたちは人に狩られたりして、毛皮を獲られたり、
  剥製にされたりしたけど、そういう死んでしまった体とは
  話せるの?」

オ「あれは毛皮(剥製も)物と変わらない。
  我々にとって魂、心のありかは生きているという証。
  だから魂のないものとは話せない。」

私「ありがとう。
  あなたたちにとって魂、こころのありかは
  生きているときはどこにあるの?」

オ「それは中空に浮かんでいて、体の中心から
  全身に満ちている。
  青く光ったり、赤く光ったりして、魂は
  感情によって作用される。
  大きくなったり、縮んだりもする。
  魂はエネルギーを食べて大きくなる。
  心の成長もそれに伴う。
  
  大きく成長した魂は強くたくましくなる。
  大きな魂のものがリーダーのアルファとなれる。
  みなを守り、群れを率いて、すべての群れの命を担う。

  アルファのメスしか子供を産めない。
  そして子孫を残すことができる。
  強いオスとメスの子が遺伝子と魂を受け継ぎ、
  次の世代を担う。

  我々は劣勢遺伝子は好まない。
  強さだけが生きるすべてだ。
  自然の中では、強さが、心の豊かさと智慧、
  魂の成長、それが認められたものだけが
  生き残れる。

  遺伝子の端はしに生きる智慧が残されている。
  世代を超えて受け継がれる。
  私たちが魂と遺伝子に刻み、次に託すもの。
  それは命の書物だ。」

私「魂と遺伝子は深く結びついているんだね。
  それが進化とも言えるのかな。」

オ「そう、進化だ。
  体の変化、環境への適応、種の多様性。
  オオカミはだから大陸で生き残れた。
  多種、多様の種が世界中に散らばり、
  生き続けてきた。
  生活圏が人間と重なった場合を除いてね。」

私「そのときはいろんな悲劇がオオカミを
  待ち受けていたね。
  日本でも二種類のオオカミが絶滅したよ。」

本土のニホンオオカミと北海道のエゾオオカミです。

オ「その種の一種は、私たちの親戚に似ていると
  聞いている。」

北海道の旭山動物園でシンリンオオカミに会いました。
そこのオオカミはカナダ地方のオオカミで、エゾオオカミは
彼等に似た一種だったそうです。
(カナダ北西部とアラスカは隣あっています。)

私が旭山動物園のオオカミを思い出したのを感じて、
オオカミは言いました。

オ「動物園で生き残っている種とは時々話す。」

私がアラスカの野生のオオカミに呼びかけたように、
動物は心の会話でどんなに遠くの動物ともお話できます。
心の会話に距離は関係ないそうです。

オ「彼等の生活は興味深い。自然の外でありながら、
  パック(群れ)を作り、私たちの習性をちゃんと
  受け継いでいる。
  たとえ絶滅してしまった種でも、私たちはその
  いくつかを受け継いでいる。
  生きているオオカミはみな、どんな種の一部かは
  受け継いでいる。
  多分、犬もそうだろう。
  (犬の祖先はオオカミだと言われています。)
  遺伝子と魂はつながっているんだ。」

私「そうだね。生きているものに受け継がれているんだね。
  では、体から魂が離れたら、私はどの部分とおはなしを 
  しているんだろう?」

オ「魂は不滅だ。
  遺伝子は体の中に受け継がれて、生きて次の世代に
  続いていく。
  
  魂は体から離れ、一度天に還る。
  私たち野生動物は、大きな魂の河の流れに入る。
  種の流れとも言っていい。
  集合意識のかたまりのようなものだ。
  そこに呼びかけてくれれば、どれかが返事をする。
  一番君の話し手になりたいものがそれを勤める。
  だが、必ず集合意識とつながっていて、我々の
  気持ちを代弁する。

  野生動物は個というより、集合意識とのつながりが強い。
  大きな河の流れから、またひとしずく生まれ出る。(現世へと)
  希望すれば別の流れの魂、違う種にも生まれ変われる。

  すべての種の知識を持ちながら、同時に個の意識を持ち、
  どの流れをも持って生きていける。」

私「前に動物園のハワイガンが集合意識ともつながって
  生きていたよ。」
  
そのときの記事はこちらです。

☆動物園の動物 ③ ハワイガンとのおはなし-1 
https://nijino-ehon.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30-1

☆動物園の動物 ④ ハワイガンとのおはなし-2
https://nijino-ehon.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30-2

オ「そう。生きているときも、魂のときも
  それは変わらない。
  河の流れの中のひとしずくだから、人は
  それを野生と言う。
  我々はこの意識の中でも、種の保存のための
  本能の中でも生きている。
  自分を守る大いなる何かとも言っていい。
  常にその何かとつながり、生きている。
  その後ろ盾は心強い。
  自然そのものと言ってもいい。
  それが我々を強くし、生かす。
  その背後にあるものを人は神と感じたのでは
  ないだろうか。

  クマの神、オオカミの神、ワシ、タカの神。
  様々な動物の魂の背後に在り、つながっている
  大いなる自然を、昔の人間達はよく知って
  いたのだろう。」

ニホンオオカミ手作り絵本コンクールのあと、オオカミをもっと知りたくて、
いろんな本や文献を読んでみました。

日本ではかつて、オオカミは犬神様として神社で祀っていた風習がありました。
オオカミが田畑を荒らす鹿やイノシシを追い払う存在であったり、
病気や火の災厄から守ってくれる存在だと大切に思われてきました。

北海道のアイヌ民族はクマ、オオカミ、フクロウ、様々な動物を神様として
大切にしてきました。
獲物として狩ったあとは、魂を神の国に送る儀式をしていたそうです。

北海道では、人間の生活圏が広がり、西洋文明が入ってきて牧畜が始まり、
人は森林を開拓し、オオカミの獲物だった鹿や動物達を多く狩るようになりました。
獲物が減り、生活圏を追いやられたオオカミたちは、人間の飼育する
家畜を襲うようになってしまいます。
北海道では馬が襲われたという記述が残っています。

そして、狂犬病の蔓延など、様々な困難がオオカミたちは襲いました。

ニホンオオカミの記録の中では、狂犬病に冒されたオオカミが
人を襲ったという内容がありました。

かつては人を守る、自然の神様として大切に思われたきたオオカミたちは
害獣、人間の敵として駆逐され、とうとう絶滅してしまたのです。

私「今、私たち人間はその自然と切り離されて生きている
  気がする。
  あなたたちはどう思う?」

オ「我々は幸せだと思う。
  自然とつながっていること、大いなる河に還れることを
  魂は知っている。

  だから常に全力で生きる。
  河に還ったときにその種を後押しできるようにね。
  魂の成長と進化を次の世代に活かせるために。
  
  人間はつながっている感覚をもてないのかもしれない。
  切り離された感覚だろう。
  だから不安になる。

  だが、自分自身も人間という種を後押しできる
  存在になれれば、いつか河に還ることを信じられれば
  その一歩が愚かだと思えても、必ず次の魂の糧となる。
  
  自分自身の来世に、そして、人類という種のために。

  我々は疑ったことはなかった。
  動物だからね。

  だが、人間は疑うことを覚えた。
  そして、魂はうつろい始める。

  自然への回帰。

  それは人間は始めるべきではないだろうか。

  魂を自分自身へと戻すこと。
  自分の中心に魂を据えること。
  そして、種と自然の遺伝子を魂とつなぐこと。

  自分ひとりが生きているのではない。
  君達自身が我々ともつながっているのだと。
  魂自身が網の目のようにつながっているのだよ。」

オオカミは、宇宙に光る星ぼしのような魂たちが、光る神経ネットワーク
のような光の筋によって互いにつながっている光景を見せてくれました。
それは美しい光景で、脳の中のシナプスが伸びていくような、神経ネット
ワークを見ているような感覚でした。

オ「それを知っているのを思い出すだけさ。
  簡単なことだよ。
  心の奥に耳を済ませて思い出してごらん。

  自分の中に流れる 魂の声を。」

私「どうもありがとう。
  私たちは、そういう奥深い魂自身を通して、
  君達と話しているんだね。」

オ「そう。目には見えない網の目のような

  魂のネットワークを通してね。

  ひとつの回線を通せば、個々とも、
  種全体とも話せる。
  
  内緒話もできるのさ(笑)」

私「どうもありがとう。」

黒いオオカミは瞳をキラッと輝かせると、ゆっくりと
後ろを向いて歩き去っていきました。

早速、Fさんにオオカミからのメッセージをお届けしました。
Fさんからのご感想です。

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一つ一つが、ああ、そうなんだ、と噛みしめるように心に響きました。
失礼だと思いましたが、シンリンオオカミ、賢い!!!
心の形、種の存在の意味、複雑な所をきちんとストレートに
伝えてくるところは、本当にすごいですよね。
動物園のコたちとお話してるのかあ、それはちょっと驚きでした。

千尋さんにはこの度は、深くステキなお話を届けてくださり、
ありがとうございました。
動物の魂のつながり、種を超えた記憶の絆、とても感動しました。
シンリンオオカミのメッセージを、ぜひ他の方々にも読んで
知ってほしいと思いました。

人が滅ぼしてしまったオオカミ達の魂も受け継がれていることは、
とても嬉しく思いました。
動物達の絶滅は悲しいことですし、その原因が人間と思うと、
申し訳ない気持ちになります。
でも、シンリンオオカミの話で、想いを引き継いで
生きて行っていると知り、胸がいっぱいになりました。

私たちも身近な家族や人と人の繋がりをもっと感じ、
信じて生きていけるといいのだろうなと思いますね。
今回お話してくれたシンリンオオカミのように、
心の自由さ、その根底にある大きな繋がり、
今生きて行くことの意味など、私自身深く
考えさせられるお話でした。


本当にありがとうございます。
生きてく芯のところを、シンリンオオカミよりもらった気がします。

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私もFさんと同じ思いです。

人間との厳しい闘いの歴史がありながらも、自分達の生きる道、
つなげていきたい思いを熱く語ってくれたオオカミ。
そして、人間にも託したい思いを伝えてくれました。

自然の中で生きているオオカミと違って、人間は
弱いものは生き残れないという社会ではありません。
様々な国や環境、障害があっても手をとりあって、
協力して生きていけるのが人間の素晴らしさだと
思います。

私たちも人間という種として、未来へ、子供達へと
つなげていくために今を生きていけたらと思いました。

自然環境がますます厳しくなってきている今だからこそ、
生き抜くこと、つなげていくこと、遺していく思いを
深く考えていかなくてはいけない時代に入ってきている、
そう思います。

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