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夏のいきもの、なぜ?なに?リクエスト~トビのおはなし [鳥のおはなし]

『夏のいきもの、なぜ?なに?リクエスト』の第一段を
ご紹介させていただきます!

Hayaさんからのご質問です。

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趣味でよく河原に出ます。模型飛行機を飛ばしているので
飛ぶ生き物は気になります。
いつも感心するのはトンビの素晴らしい滑空と滞空テクニックです。
人間では絶対にわからないような小さな小さな上昇風を
見つけて上がっていきます。
若い頃朝霧高原でパラグライダーをやっていたのですが、
夏の安定した斜面上昇風を楽しんでいると、トビが真横に来て首を傾げ、
じっとこちらを見ていたことが有りました。
彼はどう思っていたのでしょうか・・・。

なぜあんなに飛ぶのが上手なんですか。
それに、あまり地上にはご飯はないように思えるのですが、
どうやって食べ物を見つけているのでしょうか。
辛いこと、楽しいことを教えてください。

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模型飛行機の設計をなさったり、ご自身もパラグライダーで
大空を飛んだことがあるHayaさんからのご質問です。
このご応募をいただいたとき、トビとのおはなしにワクワクしました!

トビとおはなしをしてみました。

トビ全体に話しかけてみて、答えてくれたトビとおはなししました。
こういう場合、自分が話してもいいよ!という鳥が協力してくれます。


トビ / kenishigaki

トビです。おかりした写真です。

ト「僕らは上昇気流を捉えるのが得意なんだ。
  まず風を読む。鼻腔で風のにおいを感じて、
  湿り気があるか、乾いているか。
  そして方向を知る。

  湿った風は遅い。乾いた風は早い。
  湿った風と乾いた風の境目、そこが上に向く風になる。

  そのちょうど境目に体を滑り込ませ、背中に風を受ける。
  翼の角度を調整し、早い風に乗り、空中で安定させる。
  静止できればあとは乗るだけだ。」

トビの言う湿った風は、あたたかく湿った空気のようです。
そういうあたたかい空気は上に昇るので上昇気流になりやすく、
その湿った風の一番上まで飛び、上昇気流のてっぺんまでいくようです。
ふわふわの空気のボールに乗るように境目に乗ったら、乾いた温度の
低い風との境目はより風が強くなっているようです。

私の感覚で言うと、ストーブをつけてあたたまった室内の窓を開けると、
あたたかい空気が外に出て、一気に冷たい風が入ってくる感じを想像
しました。

その強い風を感じたら、それを背にして一気に風に乗るようです。
海の波乗りに近い感じでしょうか。
風の流れに安定できたら、あとはゆっくりと風に舞うようです。
それが一番長く舞っていられる方法だと教えてくれました。

ト「風に乗ってどこまでも飛ぶんだ。
  長く長く気流に乗る。
  その心地よさと言ったら!最高だよ!
  何よりも飛ぶことが楽しい。

  風の境目を読むことが出来るのは、
  トビやワシ、タカの特性だ。
  カラスにも出来るけど、翼の角度とつくりが違う。
  風切羽根の長さが違う。
  長く水平で柔軟な羽根は、風を通し、
  かつ角度によって抵抗性が出る。
  拡げれば風を受ける。縮めれば急降下できる。
  急降下の際、羽根は風を通す。
  拡げたときには受け止める。

  そして筋肉。しなやかな胸筋が翼を自由自在に動かす。
  右と左の角度を変えることもできる。
  尾羽も一ミリ単位で調整する。
  それを感覚だけでやってのける。
  羽根の一本一本が鋭敏に反応する。
  考えてはいない。
  体がやるんだ。
  
  風を読み、心と体が一体となり
  自分が風とひとつになったように感じられる。
  空とひとつになった感覚。
  なににも変えがたい。

  その感覚を彼は感じたのではないだろうか。
  (お若い頃のパラグライダーに乗ったHayaさんが)
  翼はない。
  だが確かに心は飛んでいた ひとつに。
  空と一体になっていた。

  わかるか その感覚が。
  だから彼(一緒に飛んでいたトビ)は見た
  その人間を。(Hayaさんを)
  
  わかるか 私たちの心が。
  風とひとつになったのか?
  わかったのか?

  そうして認めたに違いない。
  共有したかったのだろう。
  その感覚を。」

私「どうもありがとう!」

トビの話してくれた光景と気持ちがありありと伝わってきました!
圧倒的な情景でしばらく言葉が出てきませんでした。
感動的でした。

しばらくそれを味わったあと質問してみました。

私「地上ではどうやって食べ物を見つけていますか?」

ト「すぐ腐臭がする。川べりでは死んだ魚を食べる。
  主に死肉をあさっている。
  捕まえることもあるが、リスクも高い。
  
  落ちているものを目とにおいで捉えて
  そこに舞い降りて食べることが多いよ。」

トビなどのタカ類は非常に目がいいそうです。

☆目ディアの鷲、鷹の視力に関するページです。
ご参考になさっていただけると嬉しいです。
https://eye-media.jp/entertainment/%E9%B3%A5%E3%81%AE%E7%9B%AE%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF/

私「辛いことや楽しいことを教えてください。」

ト「カラスが図に乗ることだ。数羽で襲ってくる。
  我々は戦いを好まない。
  他のトビがいても、空の高さを段階的に飛んで
  ただ風を楽しみ、腐肉をあさる。
  ゴミもあさる。(このトビは主に海だそうです。)
  
  そこがカラスと生活圏が重なるのだろう。
  奴らは数羽で襲ってくるし、しかもしつこい。
  遊びで俺達を襲うことがある。
  あれはたまらんね。」

よほど腹がたったのか、一人称が僕から俺になっていました。

私「大変だね。楽しいことは?」

ト「やはり飛ぶことだ。
  飛ぶために生きている。
  風とひとつになるために。
  
  人間が空を飛んだ理由がわかる。
  翼がなくとも 空への憧れがあることが。

  命はみんな自由だ。
  魂は飛べる。
  それを覚えているのだろう。
  心が欲するんだ。
  
  だから飛べばいい 心でも。
  空はみんなに開かれている。
  自由だ。」

トビからのメッセージは以上でした。

トビやワシタカ類の生態がわかりやすいようにご参考になるページをご紹介
させていたただきます。

☆円山動物園 トビのページ
http://www.city.sapporo.jp/zoo/red_data_book/aves_14.html

☆円山動物園 トビのデューク君のフリーフライトの動画
https://youtu.be/vpTq6ZZba-c

☆猛禽類保護センター イヌワシの飛翔
http://www.raptor-c.com/moukin3_4a.html

Hayaさんからトビのメッセージのご感想をいただきました。

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トビの言うことがいちいちはっきりと理解できて、この場に彼がいるようです。
風の際に上に上がる風が出る、そのとおりです。パラグライダーや模型グライダーを
愛好する僕らはこれをサーマルと呼びます。熱上昇風のことですね。

カンを研ぎ澄ませているとサーマルが見えてきます。

朝霧高原でトビと会ったときのことを徐々に思い出してきました。
いまから25年も前です。
平日に一人で、朝霧高原の毛無山からフライトしました。
夏の真っ盛りで海風が西富士の風の谷・隘路に吹き込み、
毛無の尾根に当たって安定した斜面上昇風となっていました。

午前10時頃に尾根からテイクオフし、この安定した斜面上昇風に
「身を任せて」ゆりかごの中のように一人飛び続けていました。
午後1時になった頃でしょうか、数羽のトビとともに
上昇風の中に居たのですがその中の一羽が私の右側、
手を伸ばせば届きそうなくらいの近くまで
よってきて、チラチラとこちらを見ていました。

若い頃すべてが楽しかった頃の話ですから
すべてが光り輝いている思い出です。
午後の熱い風の中
トビと私は気が通じあったような錯覚を覚えました。

彼が私を自分と同じ飛ぶ命として認識してくれたような…。

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パラグライダーで飛んでいた頃、人間も大昔に空を飛んでいた記憶が
DNAに刻まれているのではないかと思ったことがあよくありました。
飛ぶことに集中して空を駆けるとき、体は翼と一体化して
鳥のように空を滑ってゆくことができる瞬間があると感じていました。

若さゆえの偉大な勘違いだったのかもしれません。
ですが、今でも河川敷でグライダーを投げていると
機体に自分が乗っているような感覚になることがあります。

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Hayaさんとトビが心をひとつにして、大空を舞っている光景が
目に浮かぶようでした。
Hayaさんのトビへの思いが伝わってきました。
まるで小説や映画のワンシーンのようで感動的で
胸がいっぱいになりました!

空への飽くなき憧れや探究心、思いは鳥も人間も同じなのだと感じました。
Hayaさんとトビが空で目を合わせたとき、思いはひとつだったのではないでしょうか。
空を飛ぶ仲間として、トビは見つめてくれていたのかもしれません。
かけがえのない素敵な思い出ですね。

空を飛ぶトビの誇りや思い、気高さを感じられたセッション
となりました。

Hayaさん、トビとおはなしをさせていただき、
本当にどうもありがとうございました!

Hayaさんとトビとの絆がこれからも
はてしなく大空へとつながっていきますように。

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☆『夏のいきもの、なぜ?なに?リクエスト』を募集中です!

頑張って夏を生きているいきものたちに
聞いてみたいことはありませんか?
いきものたちからのメッセージをお届けします。

まだまだ募集中です!

詳しくはコチラまで(^^)
https://nijino-ehon.blog.so-net.ne.jp/2018-08-08

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