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「100歳の少年と12通の手紙」を観て [日々おもうこと]

先日、「100歳の少年と12通の手紙」というフランス映画を観ました。

こちらが映画のファンサイトです。
http://100-12.com/

以下、ネタバレなのでご注意をお願いします。

10歳の少年オスカーは白血病を患い、骨髄移植を受けましが予後がよくありませんでした。
そんなオスカーがする様々ないたずらに対して、医師や看護師、病院の学校の先生も
厳しくしかることがありませんでした。

両親が呼ばれ、これ以上の治療が出来ないと医師から告げられているのをこっそり
聞いてしまいます。
両親はその話を聞きにきたことをオスカーに隠し、腫れ物に触るようにしか接してくれません。
オスカーは両親、医師、看護師とまったく口を利かなくなってしまいました。

そんなオスカーが唯一話をしたいと言ったのは、以前病院でぶつかったときに
悪態をついて、オスカーを叱った配達ピザ屋の女性ローズでした。

院長にオスカーと話してほしいと頼まれたローズでしたが、最初はとんでもないと断ります。
けれど、ピザを毎日届ける代わりに少しだけ話をして欲しいと懇願され、
とうとう引き受けることになります。

ローズは率直でユーモアあふれる女性で、オスカーには自分は元女子プロレスラーで、
たくさんのレスラーを倒してきたという武勇伝を語ります。
もちろんそれは作り話なのですが、実に楽しく生き生きと語られ、オスカーはその話に
夢中になって楽しむのでした。

このとき思ったのですが、どんなに病状や事態が深刻であっても、人は楽しむ時間が
大切だということでした。
おはなしの世界を一緒に旅し、登場人物と一緒に冒険し、ワクワクドキドキしている時間は、
何もかも忘れてその世界に溶け込んで楽しむことができます。
そういう心の楽しさが、どんなときでも支えになるんだなあと思いました。

そして、ローズは決してオスカーに病気のこと、いつかは死んでしまうことに
目をそむけませんでした。オスカーが自分に向き合ってくれない両親のことを
怒っていて、自分がいつか死んでしまうことを尋ねると、ローズは「そのとおり」だと答えます。
そして「あなただけではなく、みんないずれは死ぬ」ということを率直語り合います。

そして、大晦日までに神様に12通の手紙を書こうともちかけるのです。
一日10歳年をとり、12日で120歳になる、そんなふうに毎日を過ごして、毎日
神様に手紙を書こうということになりました。

最初は神様に対して怒っていたオスカーですが、日々10歳ずつ年を重ねる気持ちで
毎日を過ごすうちに心が成長していきます。
その12日間は、ハラハラドキドキの連続で生き生きと過ごすオスカーの姿と
気持ちの変化が感動的でした。
私たちはこんなふうに毎日を過ごしているかな、1日を10年と考えたら、どんな
毎日を送るんだろう。まるで昆虫のように・・・

ローズに会ったオスカーは実に幸せそうでした。

「神様が来たんだ」とオスカーは微笑みます。

オスカーが最後に神様に書いた手紙です。

以下はネタバレになるので、読んでもいいという方だけお願いします(^^;)

「神様 明け方、あなたが来たのを感じました。
 あなたは夜明けを作ろうとしていた。
 神様と僕らはそこが違います。
 
 あなたは飽きることがありません。
 朝を作り 夜を作り
 その次は春 今度は冬
  
 それが幸せの秘訣なんですね。
 
 毎日 初めてを見るように
 世界を見ることが
 ”すばらしかった”
 
 あなたは僕の手をとり 
 導いてくれたのです。
 世界の謎へ

 ありがとう。」

 オスカーは、両親に、大好きなペギーに初めてを教えてあげてくださいと
 神様にお願いします。
 そして、ローズはもう初めてを知っています。と心の中で語ります。
 初めてを知っているローズだから、オスカーは仲良くなれたのかもしれません。

 最後、オスカーは天国に召されるのですが、本当に心が温まるいい映画でした。
 命のことを真正面からとらえながらも、決して重過ぎることなく、楽しむこと
 信じること、心を通じ合わせること、愛することを教えてくれる映画だと思います。
 
 この映画を見て、自然、いきものたちは「初めて」を知っていて、私たちに
 その姿で語りかけてくれているのを感じました。


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