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ムクドリの若鳥を保護したおはなし [鳥のおはなし]

先日、家族で夕食を囲んでいたとき、庭で「ギャー!」という
叫び声が聞こえました。
「鳥か!?」と思っていち早く主人が外に飛び出し、私も後を追いかけました。

お庭番猫(外猫)のキーボーが鳥を襲ったらしく、主人がかけつけたときには、
横たわった鳥のそばで、キーボーが「見つかった!」という顔をしていました。
主人が近づくとキーボーは逃げていきました。

主人が鳥を両手でそっとつかみ、玄関に連れてきました。
もうヒナの頃のくちばしの端の黄色いのはなくなっていましたが、
ムクドリの若鳥でした。


ムクドリ (GRAY-STARLING) / Dakiny

ムクドリの成鳥です。(おかりした写真です。)


ムクドリの幼鳥 / Young Bird of The Gray Starling / Dakiny

ムクドリの幼鳥です。

保護した若鳥は、上記の幼鳥より大人に近づいてしっかりしていました。
羽根の色はまだ茶色がかっていて、尾羽が短かったですが、もう飛べるほどの
大きさです。
ただ、まだ自然界への警戒心が薄くて、キーボー(猫)につかまってしまったんでしょう。

主人のはなしでは、肩を噛まれて赤くなっていたので怪我をしているかもしれないとのことでした。
怪我もそうなのですが、野鳥の場合、猫に襲われ、次に怖い人間の手に中にいて、
そのショックで亡くなってしまうことがあります。
口をあけて開口呼吸をしていて、危険な症状です。
すぐに安静にしないと命にかかわってしまいます。

私はすぐにダンボール箱を用意し、中に新聞紙を敷き、その上に1センチくらいの
短冊に切った新聞をふんわり入れました。
ムクドリが沈んでしまわない程度のふんわりさです。
注)箱は、大きすぎず、小さすぎず、鳥の体よりやや大きいくらいのほうが、
暴れて怪我を悪化させず、安心だそうです。

その中にムクドリをそうっと入れました。
そのとき、ムクドリがすっくと二本足で立てたのでちょっと安心しました。
ムクドリを驚かせないように、そうっと蓋を閉めました。

RIMG0010.JPG
箱の上蓋をわずかに開けて、空気穴にしました。
急いでいたので、箱の横に空気穴をあけなかったので、その代わりです。
(時間があるときは、箱の横に数箇所の穴をあけるといいと思います。
 その場合は、鳥の顔が出るような大きなものは事故につながってしまいます。
 5ミリ以下がいいと思います。)
蓋の一部にゆるくガムテープを張りました。脱走防止のためです。

RIMG0008.JPG
箱は、人や動物のいない部屋に置きました。
それでも、時々、出入りしなくてはならないので、驚かさないように上に
布をかぶせました。
(明るいときでも、箱は布をかけたりして暗くしたほうが、鳥が安静できて安全です。)

鳥の成長具合や症状、季節によっては、保温が大事になってきます。
今は夏だし、怪我の様子や成鳥に近い大きさであることから、保温は
必要ないと判断しました。

保温にはペットボトルにお湯を入れて、やけどしないようにしっかり布
(タオル以外、足にひっかかるのでガーゼなど)にくるんで箱に入れて
あげるのがいいそうです。お湯は時々替えてあげてください。
ホッカイロを箱の内部に貼るのは、酸欠になるそうなのでやめたほうがいいそうです。

野鳥の保護で一番大切なこと・・・
私が持っている何冊かの本の中から大切な部分を引用させていただきます。

「飼育動物が人に慣れているのに対し、無主物の野生動物は 全く人慣れしていない。
 著者の口癖は、『野生動物は人が大嫌い、神経質の固まり』である。
 できる限り手を掛けないことが、野生動物にとって親切なことであり、
 野生動物の手当ては、飼育動物の場合と姿勢を切り替える必要がある。

 真っ先に行わばならないことは、安静にし保温することである。
 すぐに餌をやろうとしがちであるが、これは間違いである。
 それは、人の救命救急の場合と同じと考えてもよいだろう。

 ある時、弱った野鳥を拾って持ってた方が、私が収容するダンボール箱を
 準備している間、『今、診てもらうからもう少し待ってネ』とその鳥の
 頭を何度もなでていた。これは人が動物に接する一般的な態度であり、
 実に心優しいのだが、野生動物に対しては逆効果であることはいうに
 及ばない。

 ~野生動物のレスキューマニュアル 森田 正治編 文永堂出版の
  はじめに より」



若鳥は、もうしっかり人への警戒心を持っていますので、とにかく安静にして、
ショックから立ち直ってもらうことが大切だと思います。
保護直後に、餌や水をやろうとして、かえって弱らせてしまわないように
してあげてください。

私たちもとにかく、ショックが心配だったので、用意があれば、レスキューレメディを
驚かさないように頭上からそうっとスプレーしてあげたかったです。
飲ませなくても、スプレーで呼気から入れば効果があるかと思います。
無理に飲ませるほうが負担かも・・・
以前、私の友達がスズメのヒナを保護したときに、そうしてくれました。

でも、まったく用意がなかったのと、何度ものぞくほうが負担だと思って
やめました。
夕方だったので、昼間に餌を食べているだろうし、普段は夜も寝るだけなので、
餌と水の心配はしないで、朝までそうっとしておくことにしました。

その代わり、二回ほどムクドリに遠隔ヒーリングを送りました。
その時のムクドリとの会話です。

ム「人間は怖くないの?」

私「山に帰れたら、ちゃんと人と距離をとって生きるんだよ。」

ム「怪我は翼(肩のあたり)だけだから大丈夫。」

私「明日、動物園に連れていって、怪我を診てもらうからね。
  無事に治ったら、外に放してもらえるから。」

ム「明日まで待ってみるね。」

私「明日、ちゃんと助けるから。安心してね。」

その後、寝る前も箱の中でカサコソと音がして安心しました。

朝になって、そうっと箱をのぞくと、ムクドリは元気そうで
二本足で立っていました。よかったです!
長くのぞいていると、箱から飛び出しそうだったので蓋をしました。

その後、動物園の職員さんに、電話で、保護の事情とムクドリの様子をお伝えしました。
ムクドリが怪我をしていなくて、元気そうだったら、猫が心配でも、
元いた場所に放してあげるのが一番だそうです。
そばに親鳥や兄弟がいる可能性があるからです。
人が手をかけてあげればあげるほど、野生に還れる確立が低くなってしまうので、
自然のものは、自然にままにしてあげるのが一番と職員さんが教えてくださいました。
私もその通りだと思います!

主人がムクドリの肩の怪我が心配というので、今回は動物園での保護を
お願いすることにしました。
車で動物園に運び、職員さんに箱の中のムクドリを確認していただきました。
もう箱から飛び出そうとする勢いです。
「おお、もう飛べるな!」と職員さん。

一応、怪我の様子を確認していただいて、大丈夫ならすぐに放鳥して
いただけそうでした。
職員さんたちは、年間、非常に多くの野鳥を持ち込まれていて大変だそうです。
「元気そうな巣立ちヒナは、親鳥がそばにいるから、
保護しないでそうっとしておいてね。」とポスターが貼ってありました。

今回は、もしかすると、ぎりぎり、放鳥できるかも・・というケースだったかも(^^;)
ご迷惑をおかけしてしまいましたが、怪我を診ていただけて安心できました。
動物園のみなさま、本当にどうもありがとうございます!

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