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アシナガバチ観察2015~その2 [アシナガバチ観察日記]

アシナガバチ観察日記その2です。

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6/12 裏庭の巣では、働き蜂が羽化していました。
  女王蜂が俄然仕事が楽になります。

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6/13 ベランダの巣でも働き蜂が1匹羽化しました!
  どうやら、うまく羽化できなかったものがいくつかあったようです・・
  繭の蓋があけられて、中が空っぽになっていました。
  女王蜂はそういう巣穴をきれいにしたようなんです・・
  残念ですが仕方がありません。今度は、手前に産んであった卵の
  ための巣穴になります。

実はこの2日後、感動する出来事がありました。
羽化したばかりの働き蜂が少し仕事にもなれてきました。
その仕事のため、働き蜂は女王蜂よりも警戒心が強い性質があります。
私が巣の観察のためにゆっくりと近寄ると、働き蜂が羽根をV字型にして
警戒姿勢をとりました。
すると、女王蜂は働き蜂の上に覆いかぶさって、「ぶぶぶ!!」と怒って、
働き蜂を巣の奥へを追いやったんです。
働き蜂はすぐにおとなしくなり、警戒姿勢をときました。
女王蜂は何事もなかったかのようにリラックスしてくれています。
女王蜂が「この人には怒ってはダメ!」と働き蜂に教えてくれたようなんです。

ハチを観察なさっている方の本には、毎日観察していると、ハチがその人を
覚えるという記述がありました。
それは本当のことなんだなあ・・と感動した出来事でした。

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6/17 働き蜂が2匹になり、巣で留守番をしています。
残念ながら、成虫になれなかった繭の前にあった卵たちは、無事に育っています。

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同じ日、働き蜂は3匹、女王蜂とともにせっせと幼虫のお世話をしています。

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6/18 働き蜂たちが仕事を覚えてくれて、女王蜂は巣でゆっくりできるようになりました。
  これからは、卵を産んで巣を守る仕事が優先になります。

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6/20 実は、これがこの巣での、女王蜂の最後の一日になってしまいました・・・

6/21の朝、いつものようにベランダをのぞいて見たら・・・
なんと、ヒメスズメバチに巣が襲われていました!
もうすでにアシナガバチたちは追い払われていて、ヒメスズメバチが
巣を壊しているところでした。

私は慌てて、室内から長い棒を使って、ヒメスズメバチをちょこちょこ
つっついて、巣から離すことに成功しました。
私自身は室内にいて、棒だけ出して、そうっと行いました。
スズメバチを怒らせないよう、向かってこないよう、室内に退避しつつ
根気よくつっついていたら、ようやく諦めてくれました。
スズメバチや巣の幼虫に害のあるものは使いたくなかった策なのですが、
結構危険です・・決して真似しないでください・・・(^^;)

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襲われた後の巣の様子・・・
なんとか幼虫は無事のようです。

その後、何度かヒメスズメバチが偵察にきたり、女王蜂や働き蜂が
1匹ずつで巣の様子を見にきました。
女王蜂たちは、警戒してすぐに飛び立っていきました。

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6/22 女王蜂が巣の下の物影で様子を見守っている様子です。
   ボケボケ写真ですみません・・・

巣が襲われてから4日間は、女王蜂が1日に1回は巣の様子を見にきていました。
けれど、ここだと再びヒメスズメバチに襲われてしまうと判断したのでしょう・・
5日目から女王蜂は戻ってこなくなりました。
そして、この巣は廃巣になってしまいました・・・

どうやら、同じ時期に敷地内のアシナガバチの巣が襲われたそうです・・

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6/27 裏庭にあった巣のほとんどが廃巣になっていました。

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唯一、ひとつだけの巣が無事でした!
ヒメスズメバチに襲われたことは、このハチが教えてくれました。
そして、現在もこの巣は健在です。

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そして、巣をなくしても、アシナガバチたちは、またあらたに巣を作り出していました。
また、我が家の物置の隙間から出入りしている数匹のハチが・・・
物置の壁と壁の中に巣を作っているようです。
今度は外から狙われない場所で再スタートしたようです。

今年は、春から長雨が続いたり、獲物が不足しているのか、幼虫の成育が
不十分だったのかもしれません。
成虫になれない働き蜂が数匹いたのは初めてだった気がします。
また、羽化できた働き蜂も小さい感じがしました。

ヒメズズメバチが巣を襲いに来る時期も、なんだか早かったような気がします。
いつもなら、新女王蜂が成虫になって、オスバチがいる晩夏のころのような・・・
今年はあちこちで獲物が不足していて、みんな苦労しているのでしょうか。

梅雨の時期は、大雨が続いて、例年にまして、虫たちも野鳥たちも
子育てに苦労しているような気がしています。
温暖化傾向で、色んなところに影響しているように感じています。

越冬した女王蜂の寿命は7月半ば~末くらいまでです。
この時期に巣を失った女王蜂が、また巣を再建して、新女王蜂まで
育て上げるのは、並大抵の苦労ではないと思います。
それでも、ハチたちは懸命に巣を再建していました。

今回、アシナガバチたちの様子を見て、人も自然界も、人生は
予想がつかず、思うようにならないほうが多いんだろうなあ・・と感じました。
普通なら、そのことを悲観して、何をしても報われないと思ってしまいそうです。

けれど、ハチたちは、寿命があと一ヶ月を切っていようが、次の命を
つなぐために再スタートをしています。
本能と言ってしまえば、それまでですが、その小さな姿から、
私たちが学ぶことは多いのではないのかなあ・・と思います(^^)

人生はままならないからこそ、前を向いて生きる。

一年で死んでしまうアシナガバチたちが、ずっと命をつないできた
理由がここにあると思えるのです。

生きる上で、本当に大切なことってなんだろう。
シンプルだけど、素敵だと思いませんか?

これからも虫たち、野鳥たちを応援していきたいです。

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