春待ち～キアゲハ（さなぎ）とのおはなし

photo by chihiro

住宅街の散歩道では梅の花が咲き始めました。
山際の梅のつぼみもほころび始めています。

我が家にも春を待っているいきものがいます。


photo by chihiro

ベランダにいるキアゲハのサナギです。
昨年、プランターでミニニンジンを栽培し、そこで育った幼虫です。
収穫用と幼虫用に二つのプランターを栽培し、収穫用からせっせと幼虫を
栽培用に移動しつつ育てていました。
３匹の幼虫が大きくなったのですが、さなぎになる直前にカマキリに食べられて
しまいました。
最後に生き残ったのがこの１匹です。
残念ながら成長日記写真は紛失してしまいました・・・

虫に詳しい主人が、サナギの中で何が行われているかを教えてくれました。
イモムシだったものが羽をもつチョウに生まれ変わるためには、一旦筋肉などを全部
どろどろに溶かして、チョウになるための筋肉組織を再構築しているのだそうです。
静かなサナギの中で大変革が起こっている・・すごいと思いました。


photo by chihiro
５年前のキアゲハの写真です。
無事に羽化できたら、このような美しい姿を見せてくれることでしょう。

春を待つ、キアゲハのさなぎとおはなししてみました。

「私は生き残ったの。そしてここにいる。
仲間たちは死んでしまった。

春待ち　それは命の変容のとき。
私たちの細胞は、一から体を構築する。
すべてがひとつの細胞単位に分かれ、
私の体をチョウへと成していく。

春待ち　それは変容のとき。
命のすべてが目覚める　その日まで
じっと耐えて待ち、体を作る。
空を飛ぶために。

厳しい寒さの中で春を待ち、
じっと耐えて、何もしていないように見えても、
私の体は闘っている。
万がひとつの成功のために。
命の賭けをして闘っている。

今、体は八割型できている。
あともう少し、春が来るまで。

内側からの変容は、外からは決して見えない。
けれど、私たちがチョウになるように。
生まれ変わるように。
大きな空に飛び立てるように。
待っている時間は尊い。
そのすべてに、次の世界へと続く扉が待っている。」

冬になると葉を落とし、まるで枯れているかのように見える木々も、
とまったまま動きのないさなぎの中でも、春を待っている命たちは
しっかりと自然とつながり、時期を待って花を咲かせ、チョウになります。

待っている時間、自分を静かに変容させている時間。
それは、とてつもなく深く尊い時間。

私が子供の頃読んでいた漫画で、三原順さん作「はみだしっ子」という
本があります。
その中で、サーニンという少年が愛馬に語りかける言葉があります。
雪の降る季節のことです。

「ねえ、そんなのは本気で悩むことじゃないよ。
　自分に・・・ここにいるだけの意味があるのか・・なんて。

　春になれば、また仔馬達が生まれてくるよ。
　南に行っていた鳥も帰ってくる！

　木がどんなふうに葉を繁らせ
　秋には色を変え・・・

　毎年・・・毎年・・・

　たった一日のことでいい！
　お前はそんなものを見なかったかい？

　ボクには、何かを無意味だと信じることのほうが
　よほど難しいよ。
　
　それが何かはわからないけど・・・
　でも、きっと・・・　
　何か目的があるんだよ！」

彼のその言葉と、自然が見せてくれる姿は、いつも私を支えてくれました。
ずっと、ずっと、今も。

季節の中でめぐる命。
毎年毎年、当たり前のようなことだけれど、
その中ではすごいことが繰り返されています。

花を咲かせる植物も、卵からかえる、サナギから羽化する虫たち。
冬眠から目覚める生き物たち。
毎年渡ってくる鳥たち。

いのちってすごいです。

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長い間、お休みをさせていただき、どうもありがとうございました。
おかげさまで、私たち家族も動物たちも落ち着きを取り戻して
元気にしています。
病気の猫のふじちゃんも安定して過ごしてくれています。
なるべくふじちゃんのそばにいられるように、しばらくの間、
対面セッションは公民館の平日（月、火、水）で受付させていただきます。
宝台院の対面セッションと青空セッションはお休みさせていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

また、みなさんと動物さんのお役に立てられるようにがんばります！
よろしくお願いいたします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　伝言屋ひまわり　千尋

<千尋のアニマルコミュニケーションサイト>