SSブログ

『旅のチカラ ”死 ”が与えてくれる力を探して』を観て [ACエッセイ]

昨夜21時から放映されたNHK、BSプレミアムの『旅のチカラ ”死 ”が与えてくれる力を探して』という番組を観ました。
作家の高橋源一郎さんがイギリス、ヨークシャー州リーズという町にある「マーティン・ハウス 子供ホスピス」に訪れるという内容です。

マーティン・ハウスは設立25年でもっとも古い子供ホスピスのひとつだそうです。
寄付やチャリティイベントで運営されていて、滞在するご家族には一切費用はかからないそうです。

マーティン・ハウスはのどかな田園風景が広がる美しい場所にありました。
建物は外観も中も病院、ホスピスというイメージはちっともなく、アットホームであたたかな雰囲気にあふれていました。
スタッフの方もみな私服でスタッフバッチをつけているだけで、滞在なさっているご家族との区別がつかないくらいで、みなさんがまるで気軽にそこを訪れている家族の集まりのようでした。
子供さんの部屋も、ご両親が滞在なさる部屋もかわいらしくて素敵でした。
みんなで過ごせるサンルームや食堂でも、普通のちょっと大きなお家と変わらない雰囲気で、みなさん笑顔で食事をし、おしゃべりやゲームやお散歩を楽しんでいました。
だいたい、みなさん一週間くらい滞在して、困難な病気に立ち向かう気持ちをここで分かち合ってほっとしたり、また勇気を持って自宅に戻っているそうです。
小さな頃から何回もここを訪れて大きくなったという19歳の青年もいました。

「ここは死を待つ場所ではなく、豊かに生きる場所。」

マーティン・ハウスというはそういう場所なんだそうです。

高橋さんが15歳のキャットちゃんという女の子にインタビューしたときの
彼女の言葉です。

「とくかく前向きになること。
 子供だけじゃなくて、周りの大人がハッピーだったら、
 子供もハッピーな気持ちになるんです。
 あまり気にしすぎず前向きにやっていくんです。
 くよくよしたって状況は悪くなるだけ。だから心配しないで。」

キャットちゃんは笑顔でこう話していました。

マーティン・ハウスのそばには、自分の牧場から動物を連れてきてくれる
メアリーさんという女性がいました。
彼女は保護された動物たちをお世話しながら、週1~2回位、子供たちと
動物のふれあいのために訪れているそうです。
子羊や鶏、ひよこ、大きなうさぎなど、いろんな動物たちが来ていて、
子供たちは実に楽しそうでした。

メアリーさんが言っていました。

「ここの動物たちは病気の子供たちがわかっていておとなしいんです。
 今まで子供たちに危険だった動物はひとつもありません。」

マーティン・ハウスで天国に行ってしまった子供たちのことも
放映していました。
メアリーさんが連れてきた子羊と一緒にすやすや眠ったトーマス君は
その3日後に天国に召されたそうです。
たった生後3ヶ月でした。
メアリーさんはその子羊にトーマスという名前をつけて、お母さんの
カーティスさんとの交流は今でも続いているそうです。
カーティスさんは、マーティン・ハウスでの時間のおかげで、悲しいだけ
ではなく、トーマス君のことを『美しい思い出』にすることができましたと
話していました。


最後に、マーティン・ハウスの最初の設立に関わったレノア・ヒルさんの
言葉です。

「同じ病気で亡くなったある兄妹がいました。
 自分たちの身に何が起きているのか二人ともよくわかっていたのですが、
 死に直面しながらも、私たち大人に贈り物をのこしていってくれました。
 とても愛らしい姿のままで、みんなにお別れを告げていったんです。
 私もあんなふうに死ぬことができたらと思います。

 多くの子が尊厳を持って自らの死と対峙していきました。
 子供たちは自分の未来に待ち受ける「現実」について
 大人よりうまく向き合っていけると思うんです。
 そして、子供たちは『今を生きる』という才能があります。」

そして、レノア・ヒルさんはマーティン・ハウスについてこう語りました。

「私はここ以上に様々な感情を経験できる場所は知りません。
 こんなに深い『苦痛』を味わったこともなければ、
 これほどの『喜び』を味わった経験もありません。
 だから、あなたがさっき言ったように子供たちは素晴らしい
 『ギフト』を与えてくれる存在なんです。
 彼らのそばにいることができて幸せでした。」

レノア・ヒルさんの著書「死ぬゆく子供たちと家族のためのケア」の
一節の言葉です。

「親の中に子どもは生き続ける。」

=============================

昨日、5月の一周忌におまいりした友達のお母様から写真が届きました。
友達の笑顔の遺影と共に友人一同が一緒に写った写真です。
心のこもったお手紙が添えられていました。

大切な人を亡くすということはとても悲しくつらいことです。
けれど、この写真とお手紙をいただいた日に、この番組を観ることが
できたのは、私には天国からの贈り物に思えたのでした。

”死 ”が与えてくれる力とは、遺された私たちが『今を生きる力』
を失わないこと。

体が不自由な4歳のベアトリスちゃんが窓の外のお気に入りの風景を
指差して、「ほら、あそこに木が見えるでしょ。あそこに飛んでいける
ような気がするの。虹が見えることもあるのよ!」と笑顔で話していたように。

どんなときでも自然や人や他のいのち、いろんなものとのつながりを感じ、
自分が今、ここに生きている、ということを大切にすること。

それが、生きるということ。

天国にいる大切な人が見守ってくれているから。
私たちは、今を大切に生きていかなくちゃいけないですね!


rainbow 2 / nickyscunny


======================

<千尋のアニマルコミュニケーションサイト>

現在、通常通りセッションの受付をしています。
また、頑張りま~す!
よろしくお願いいたします。

bana.gif




この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。