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雄蜂のおはなし~とこしえの道 [アシナガバチ観察日記]

台風の後に再集合したアシナガバチ達はしばらくの間、
ひさしの下でのんびり幸せそうに過ごしていました。

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photo by chihiro
10/19 みんなが一緒にいる最後の写真になりました。

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10月22日にアシナガバチ達は完全に解散しました。
その後、ハチ達がここに戻ってくることはなく、
11月を迎えました。

そして昨夜からはめっきり冷え込み、慌てて暖房器具
を出したり、あたたかい服を着だしたりしました。
西日がきつい二階の部屋もそろそろすだれをはずそうと
窓を開けて作業をしていたら、頭上にぶ~んと聞きなれた
羽音がしました。

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そのままぶぶぶ~とすだれと窓の間に入り込んできたのは・・・
雄蜂でした。
この寒さで動きも鈍ってしまっています。
彼がすだれの下に落ち着いたので、取り外し作業は中断して、
再びすだれを固定・・・(笑)
「ここにいていいよ。」と声をかけて、会いに来てくれた雄蜂と
おはなしをしてみました。

それはとんでもなく長く深遠な内容になってしまい・・・
私は聞きながら、若干どうしよう??どこまで話を深めていこうか?
どこまでついていこうか??と冷静に困った自分がありました。
でも、もうじき亡くなってしまうだろう彼の心意気を思い、真剣に
最後まで聞き続け、ここに報告させていただきます。
また、変人と思われるのも覚悟で!(笑)
ついてこれそうな方だけついてきてくださーい!



ハ「僕はここで生まれたんだよ。もう一回会いに来たんだ。」

やはり、我が家で育ったアシナガバチでした。

私「どうもありがとう。巣を解散してから今までどう過ごしていたの?」

ハ「みんな、それぞれの場所で自然の中で寿命を全うしていたよ。」

私「どうして解散してバラバラになるの?」

私は今まで折角力を合わせて生きてきたのに、どうして最後まで
家族で一緒にいないのかなあ・・と常々思っていました。
たとえ一人減り、二人減りでも、最後まで一緒にいればいいのに・・と。

ハ「一匹一匹のほうが自然に還りやすいから。
  もう自分の役目が終わったと感じたとき、
  みんなに『さようなら、また会おうね。』って言って
  空に向かって飛んでいく。
  そして一匹一匹思い思いの方向に飛んでいくんだ。
  
  今までは巣に縛られていた。
  役目に縛られていた。
  そういうものからみんな自由になって、ただ一匹になったとき、
  不思議と悲しい気持ちはないんだ。」

私「どんな気持ちなの?」

ハ「ただ達成感。生き抜いたという。
  この季節を生き抜けた。
  世代を残せたんだな~と思う。
  僕たちは大きな魂の中に還っていくんだ。
  自然のかたまりのような。
  自然界のエネルギーのようなもの。
  そこには種とか虫とかそういう概念があるようでなくて、
  ただ純粋に命のかたまりなんだ。
  意識と魂の集合体というのかな。
  野生動物というのは、そういう源に還る意識が強いよ。」

私「人と暮らしている動物は、前世や生まれ変わりについて
  おはなししてくれるけど、それとは少し違うの?」

ハ「そういう概念もちゃんとあるよ。
  僕たちのような野生動物は、より原種に近い魂の形に還って
  いくんだ。
  個より集合体の意識としてね。
  だから前世とか生まれ変わりというより、川の流れの中に
  戻る感じ。大勢の中のひとつ。
  常に何かとつながっているんだ。
  僕は今、その大勢の中の意識からも話している。
  それはゆるぎないもの、力、エネルギー。
  だから僕たちはそこに還るのは怖くはないんだよ。」

私「そうなんだね。人と暮らす動物はどうなんだろう?」

ハ「僕たちは地球の全体の流れを意識して生きているんだ。
  だから大勢の中のひとり。

  人と暮らす動物は、人という種を助けるために来ているんだ。
  特別な役割なんだよ。
  人は個という意識がとても強くて、全体のひとつという意識を
  思い出すのが大変なんだ。
  それを動物がそばで支えてあげるんだよ。」

私「人はどうして個の意識が強くなったの?」

ハ「人が進化したからだよ。地球の歴史の中で魂は常に
  成長を望むんだ。
  人がいなかったら地球はずーっと緑と自然に囲まれたまま。
  何万年も何千万年も。」

私「それではいけなかったの?」

ハ「個と競争、競合がなければ、また違う意味で
  本当のひとつにはなれないんだよ。
  種が協力し合ってひとつになること。
  多種多様の生命があってこそ本当の意味での
  調和とバランスが保たれるんだよ。
  何ひとつ欠けないようにできている。不思議だよね。
  時の流れの中で、その答えは何千年も何万年も先のこと。
  人も命を繰り返して、その答えを見つけていくんだ。
  種を超えて、時を超えて、繰り返し、繰り返し。」

私「今すぐ見つからなくても、いつかは見つかる?」

ハ「僕たちはもうわかっている。
  今生きていて、バランスがとれていること。
  それをこの先もずーっと続けていけるようにすること。
  魂の根はそれを知っているからね。
  今、この瞬間も先の未来。
  今、この思いも未来に渡せるバトン。
  命の流れを信じて生きようね。」

お昼過ぎに暖かくなったころ、雄蜂の姿はありませんでした。
きっと自然の中に、大いなる命のかたまりに向かって飛んでいったのでしょう。

雄蜂が話してくれた壮大な内容について思いをめぐらせてみました。

今、この瞬間に思っていること。
それに自分自身で責任を持つこと。
それがどんな思いでも、未来の自分や世界に直結していくこと。
それが、今、この瞬間も先の未来だということなのだと思います。

自分たちがバラバラに生きているようでも、ひとつひとつの何かに
支えられていること。
それは自然だったり、誰かが作ってくれたもの、エネルギー、食べ物、
科学などが作り上げてくれたもの。
その中で自分だけで作り上げたものがどれだけあるのだろう。

食べ物だって、小さな小さな土の中の微生物や虫たちの営みで
土が作られてできている。

私たちの体は、本当に小さなミクロなウイルスにやられてしまったり、
体の中の小さな細胞や免疫に守られている。

逆に大きな大きな宇宙の天体からのエネルギーにも作用されている。
月の満ち欠けが体や生物、海洋に与える影響や、宇宙からのエネルギー
、太陽の熱や放射線、紫外線などから。

何ひとつ、私たちは切り離されて生きてはいない。

私たちはつながっている。
小さな虫とも宇宙とも。

それが今、この思いを未来に渡せるバトン。
命の流れを信じて生きること。

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このおはなしで感じたことを表現してくれている文章を
見つけました。

「動物はすべてを知っている J・アレン・ブーン著から」



けものにたずねるがよい、教えてくれるだろう。

空の鳥もあなたに告げるだろう。

地を這うものに問いかけてみよ、教えてくれるだろう。

海の魚もあなたに語るだろう。

かれらはみな知っている。
   
それがとこしえの道であることを。

すべて命あるものは、肉なる人の霊も
   
とこしえの道の手の内にあることを。

              (ヨブ記 第十二章七ー10節)



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