10月25日、円山公園のハイキング、北海道神宮の参拝を終えた
私は、気を良くして北海道博物館まで足を伸ばすことにしました。

北海道博物館は、元・開拓記念館(1971年開館)と
道立アイヌ民芸文化センター(1994年開所)を統合して
2015年に開館しました。
野幌原始林という広大な森林公園の中に位置しています。
そばには開拓の村という屋外博物館といえる施設もあります。

☆北海道博物館のサイトです。
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/

☆北海道開拓の村のサイトです。
http://www.kaitaku.or.jp/

☆野幌森林公園のページです。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/environ/parks/nopporo.htm

私にとって野幌森林公園や開拓記念館は子供の頃から親しんだ場所です。
北海道記念館としてリニューアルしたことは、友達のOさんから
お伺いしました。Oさんの歴史や遺跡などのおはなしはとっても楽しいです。
そんなOさんが是非行ってみたい!という場所でした。
新しくなってからは初めて訪れました。


博物館へ向かうバスの中で助けたナミテントウ。
街路樹に逃がしてあげました(^^)


百年記念塔です。子供の頃は頂上まで上って展望を楽しみました。
(野幌森林公園のページから引用させていただきました。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/environ/parks/nopporo.htm
北海道の開拓につくした先人の苦労への感謝と、未来を創造する
道民の決意を示すためにつくられ、1970年(昭和45年)9月に完成しました。
 塔の形は、平面的には雪の結晶の原型である「六角形」を
、立体的には未来への発展を象する「相対する二次曲線」
をあらわしています。高さは北海道百年にちなんで100mあり、
8階(高さ23.5m)に展望室が設置されています。

※現在、危険防止のため百年記念塔及びその周辺への立入を禁止しています。





国道のバス停から博物館まで結構歩きます。
紅葉を楽しみながら散歩気分で歩きました。

外観の建物は立派になっていいました。
一階のホールには、気軽に休憩できる喫茶スペースや博物館グッズを
買える売店がありました。
チケットを購入して中へ。
(資料の説明は北海道博物館のパンフレット「ビジュアル北海道博物館」
から引用させていただいています)


まず、ナウマンゾウと

マンモスゾウの化石がお出迎え~。
(写真は帰りに撮影しました。館内撮影可です(^^)

北海道で見つかった動植物の化石の展示と大地のなりたちのコーナーを
見ていきます。
2013年にナウマンゾウとマンモスゾウの歯の化石が高精度
年代測定によって再同定されて、生息年代が約4万5000年前で
重なることから、世界で初めて「共存」していた可能性が
あることが示されたそうです。
北海道の化石で世界初めて発見!すごいですね。

旧石器時代文化~縄文文化の遺跡コーナーに移動します。
(二千数百年前ごろまで)

お墓で見つかった仮面や土偶などが展示されていました。


熊を象った土偶です。

これは函館市の著保内野遺跡で見つかった一番大きい
中空土偶だそうです。中が空洞で表面に漆が塗られ、
仮面や首飾り、ズボンが表現されています。
縄文文化の技術はすごいですね。
これは複製だそうですが、原資料は国宝だそうです。

次にフゴッペ洞窟の壁画のレプリカや映像が展示されていました。
この洞窟は翌日に行きましたので、詳しい説明はまた後ほど。

続・縄文文化のコーナーへ~二千数百年前から1300年前
本州では弥生時代で稲作などが行われたそうですが、
北海道では行われなかったそうです。
狩猟、漁労、採集の技術が発達した時代たっだそうです。

動物を象ったへらなどです。

シカ角製の鉾先と槍先


熊を象ったへらや石製品など、北海道らしさを感じます(^^)

シカの角で作られたウミガメ

オホーツク文化へ~5世紀になると、それまで北海道に住んでいた
人々とは大きく異なる文化の人々がサハリンからオホーツク沿岸に
やってきたそうです。漁労でクジラやアザラシを狩り、犬や豚を飼い、
大陸や本州との交易もさかんだったとか。
熊などの動物への特別な信仰(アイヌ文化にもありました)があったそうです。

熊の彫刻をした木製の容器

竪穴住居に安置された熊の頭骨

熊の骨製品

熊の骨製品と木製品

女性を彫刻した牙

擦文文化(7~12世紀)から狩猟や漁労にくわえて
ヒエやアワなどの雑穀を栽培するようになったそうです。
本州との交易がさかんになり、文化が入ってきたそうです。
土器や鉄器や刀などが展示されています。

アイヌ民族の時代
アイヌ民族と和人との交易品の数々

干しダラ

左から干しあわび、イリコ、干しにしん

昆布


オジロワシの羽根

タンチョウ

ラッコの毛皮

トドと熊の皮

アイヌ民族の家屋



いろり

こちらの部屋の窓はカムイ(神様)たちが出入りする窓だそうです。
奥の漆器は交易や労働の対価としてもたらされたもので、
儀式のときにはお酒をいれたりしますが、容器そのものに
霊的な力があるとされ、家族を守っていると考えられていたそうです。

家から少し離れた場所に祭壇をもうけて、カムイにイナウ(木幣)を
ささげて祈ったそうです。

アイヌ民族の信仰では、カムイたちは普段、カムイの世界で暮らしていて、
なんらかの役割を担ったり、遊びにきたくなったら人間の世界にやってくる
と考えられているそうです。
熊のカムイが熊の姿になってやってきて、人間に捕らえられることによって、
肉や毛皮を与えてくれると考えられているそうです。

初春の山猟で生け捕りにしたこぐまを連れ帰り、
村で大切に育てるそうです。
このごくまも人間の世界に来てくれたカムイであり、
2年ほど育ててから、その魂をカムイの世界に送るそうです。
その儀式で肉や毛皮を大切にいただき、カムイが喜ぶとされる
イナウやご馳走をそなえるそうです。

命を支えてくれる山の動物たちに敬意を表し、大切にしていた
信仰が感じられます。

アイヌ民族の衣装

儀式のときに男性がかぶるもの

儀式のときに女性が身につける首飾り


首飾りの紋様が素晴らしいです。

前掛け

脚絆

サケの皮で作られた靴

伝統的な衣装

深い雪を歩くときのかんじき

興味深かったのは、音楽や踊り、昔話などを選んでみることができるコーナーや、
アイヌ民族の血をひく現代の子供さんが、おじいさん、おばあさんに先祖の
おはなしを聞いていくという形で歴史を遡って紹介するコーナーです。
身近にアイヌ文化を理解できる工夫がされていて感心しました。
このコーナーだけでかなりの時間を楽しめそうです(^^)
私もアイヌ文化のコーナーをじっくり拝見させていただきました。

博物館では、自然観察会やワークショップ、アイヌ語や文化の講座、
特別イベントでアイヌ音楽ライブやバックヤードツアーも行って
いるそうです(^^)

☆北海道博物館のイベント
http://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/event/

他にも開拓の歴史や、北海道の自然といきものについての
展示があったのですが、夕方になってきたのでまたの機会に
することにしました(^^;)
国道までの道は真っ暗になってしまいそうなので、明るいうちに
帰る事にしました。

帰る前に、一階の休憩スペースでお茶とドーナツで一服して、
北海道博物館のパンフレット「ビジュアル北海道博物館」
を購入しました。
とても立派な本なのに370円とびっくりです!
この一冊で北海道の歴史を写真入でよく理解できます。
お勧めです(^^)

夕陽の紅葉を見ながら大満足で帰途についたのでした。