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キアシナガバチの到来 [アシナガバチ観察日記]

7月に入って気がついたのですが・・・

13720キアシナガバチ2.JPG
photo by chihiro

上の写真のように、ベランダの屋根のひさしの部分でアシナガバチたちが
巣材集めをするんですよね。
カリカリと木を削って上手に団子に丸めて持ち帰り、口でのばしてパルプのように
しながら巣を作っていくんです。

13730巣材 (1).JPG

よく見ると、このみぞみぞは全部アシナガバチが巣材として削ってできたものだ!!(驚愕)
剥げている部分で、木の部分全部、幅5センチほど、長さ3メートルほど、全部削られています。
アシナガバチが我が家に巣を作り出して6年。
現在では、家の近所のアシナガバチまで巣材取り場として活用しています。
巣材を取ってから遠くへと飛んでいくのだ・・・

13730巣材(3).JPG

アップにするとこんな感じです。
アシナガバチの小さな顎のサイズの細かい溝がびっしり・・・
今まで気がつかなかった私も私だけど・・・

これを主人に見せたら・・・
主人「我が家は全部アシナガバチに削られて、いつかはなくなるね・・・(笑)」
私「そうだね・・・」

13730巣材 (2).JPG
うっかり放置していた支柱を結ぶ古い麻紐も立派な巣材になっています。
古い木の台の皮、少し痛んだよしずやすだれの皮も剥いでいきます。
植物性の繊維のものは何でもリサイクルしていまいます。
アシナガバチはすごいなあ~!

我が家に来るアシナガバチの中に、キアシナガバチが混じっていることがわかりました。
キアシナガバチは、市街地よりやや山や森林のほうに多く見られるようです。
アシナガバチより若干足が長く、バレリーナのようにスタイルがいいです。

見分け方を調べてみました。

☆Weblio辞書 森林生物図鑑 キアシナガバチより

「セグロアシナガバチとよく混同されるが,本種の前伸腹節には
黄色の二縦線があるので区別できる(ただし,この形質は沖縄では使えない)。」
とのことです。

ハチのウエスト部分、一番くびれている部分のすぐ上が前伸腹節です。
セグロアシナガバチはここには模様がなく真っ黒です。
我が家に代々巣を作ってきたのはこの種類です。

13707セグロアシナガバチ2.JPG
これがセグロアシナガバチ。

13720キアシナガバチ3.JPG
これはキアシナガバチ。
前伸腹節部分に縦に黄色い筋が2本あるのがわかりますか。
足もやや長めです。

キアシナガバチは、巣材を取ったらベランダ左上の屋根のひさしあたりに運んでいます。
働き蜂が肉団子をそこに運んでいくのも目撃しました。
どうやら、人の目が届かない安全な高い場所で巣を作っているようです。

今年はアシナガバチも観察できる場所に巣を作ってはいないのですが、
ベランダの巣材取りで会えるので寂しくはありません。
私がベランダを出入りするときは、頭上にハチがいないかを気をつけます。
もし、私が出るときにハチがそばを飛んでいたら、一声かけて「これから出るから
近くにこないでね。」とお願いすると、飛びながら待っていてくれます。

また、しゃがんで植物に水をあげているときにハチがやってきたときは、
むやみに動かず、ただ敵意がない気持ちを伝え、穏やかな気持ちで作業を
続けます。
そうしたら、ハチも安心して目の前の木の台に止まって巣材を取りだします。
私は間近でそれを観察して、幸せな気持ちになります。
こちらの意思は伝わっていると感じられますし、ハチもそれに応じて距離感を
決めて行動してくれます。

キアシナガバチとおはなししてみました。

キ「私はこの家に巣を作ることに決めたんだ。」

私「初めてだよね、巣を作ったのは。どうして?」

キ「この家が安全だってわかったから。
  山から里に下りてきて、私たちも住むところを拡大しなくてはならない。
  以前より農薬の害や、自然破壊で私たちも里へと下りてこなくては
  ならなくなっているの。」

確かに、ここ数年でキアシナガバチを市街地で見たのは初めてです。
見かけても山際の散歩道でした。

私「そうなんだね。里ではうまくやっていけそう?」

キ「人里でもなるべく目立たないところに巣を作って、
  人との関わりは最小限にして、畑の芋虫を拝借して生きるよ。
  私たちの住む場所は失われてきているから。

  ただ、私たちが芋虫を捕るバランス、イモムシが孵るバランスでもって
  自然のサイクルが成り立っていることを忘れないでほしいの。
  捕るもの、捕られるもの。
  そのバランスが崩れたら、どちらかが増えすぎてしまうし、
  木々は芋虫に食べつくされて、そして芋虫だって食べ物が
  なくなってしまう。

  すべてがうまく成り立つためには、均衡というものが
  とても大切なの。
  
  私たちハチは虫を狩り、花の蜜を吸って受粉も手伝うし、
  色んな役割を担っているの。
  だから、むやみに追わないでほしい。
  私たちが生きる場所を残しておいてね。
  ここはいいところ!」

アシナガバチも花の蜜を吸うのだそうです。
キアシナガバチは、セグロアシナガバチに比べて気性がやや荒いという
説明書きがあるところもあります。
確かに、私が付き合ってきたセグロアシナガバチより若干警戒心が強く、
私との距離感を多くとります。
それは、彼女達が本来は人里ではなく、山や森林に住むハチだからだと思います。
その距離感がお互いを安全に保ち、同じ場所にいても一緒に暮らせることに
つながっています。

もし、巣がある場所が人の手の届かない高いひさしだったり、出入りの少ない場所
でしたら、できることなら、そっと見守ってあげてください。

アシナガバチは自然の均衡を保ち、芋虫や植物が健全に育つ手助けをしてくれています。
どの生き物にも役割があり、どの生き物でも、必要のない存在などないと虫たちは
教えてくれます。
自然界は、そうやって絶妙のバランスと完璧さで、生き物たちを存在させているのだなあと
いつも感心させられます。

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<千尋のアニマルコミュニケーションサイト>

現在、通常通りセッションの受付をしています。
また、頑張りま~す!
よろしくお願いいたします。

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